ショートショート 風のしっぽ
「昨日、お母さんが空を切っちゃったでしょう?だから、あの隙間から、このお手紙が届いたのだと思う」
娘が、トカゲの絵が描かれた紙を持ってきた。
トカゲの下には、何か書いてあるけど、意味がわからない。
「お母さん、あの空どうするの?あのままで大丈夫?隙間がどんどん広がっているよ」
ああ、困った。
出来心だった。青空をふたつに分けたら、それぞれが好きな方の空を選んで自分のものにしたら良いと思ったのに。
空はペラペラだった。
裁縫ハサミで、スゥーッと切れてしまった。
今は、上と下に分かれて、風が吹くたびにたなびいている。
「お母さん、この手紙は誰が書いたのかな?
トカゲの下に書いてあるのは、何かな?亀?」
「んー。AIにも聞いてみたけど、意味は分からなかった。
お母さんはね、空だと思う。空が書いたと思う。」
「えー!空?書けるの?どうやって?なんで?
……じゃあ、このトカゲはなんなの?」
「このトカゲは、たぶん神様から何かお知らせだと思う。この前、神社で写真を撮ってしまったから。無礼な母だったもんね…」
「じゃ、空なの?神様なの?どっちが書いたの?」
「娘ちゃん、よーく考えて。どっちが書いていてもよいのよ。空が文字を書けないとか、神様なら書けちゃうかもしれないとか、誰が決めると思う?」
「……。わたし?お母さん?人間?」
「正解。だから、答えを探しても人間である限りは、それ以上の答えは出てこないわよ。
まあ良いじゃん。お母さんは、空が書いていたら楽しいから、空に一票」
娘は、手紙を持ったまま庭に出て行った。
空はまだペラペラと揺れている。
「お母さーん!風のしっぽ捕まえたよー」
「風のしっぽ?なにそれ?どうやって捕まえたの?」
昨日の記事に、Tailwindさんから
次の世界が見えるかも?とか、想像するのも楽しいですよね。
相内神社さまから
でっかいハサミで切ったあとは、どうなるんでしょうかね。想像がふくらみます。
と、コメントを頂いたことから始まった妄想ストーリーです。
小鳥先生!宿題出来ました!

