【自由詩】枝先でゆれる灯
夕暮れが早まる
空気が薄く冷えはじめ
指先だけが
季節の境目を知っている
赤い葉がひとひら
迷いながら落ちる
その速度に
心がそっと引き寄せられる
秋の匂いを纏った風にのって
言えなかった言葉が
白い息になって
ほどけていく
コート越しに伝わる鼓動が
冬の静けさを怖がりながら
ひとり
沈黙の中で強がっている
少しずつ色を失っていく街
ふたりの影を長くする夜
雪が降る前に
心に積もった言葉たちを
そっと手渡せたら いいのに
季節は移ろう
それでも恋は
まだ落ちきれずに
枝先で震えている
秋と冬のあいだから生まれた
ちいさな奇跡のように
一歩が
静かに揺れている
~追記~
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