【散文詩】傷口と痛み
かさぶたを「瘡蓋」と書くことを
知ったのはいつだっただろう
傘の蓋ではなかった
あの硬くて
かさかさした手触りが
傷を守ってくれているような
気がしていた
瘡蓋があると
気になって触ってしまう子どもだった
まだ癒えきっていない傷を
何度も開いて
何度も剥がして
結局
傷跡だけを残してしまう
「腫れ物に蓋をする」
という言葉がある
見えないように蓋をして
その場をやり過ごすこと
けれど
蓋をされた傷は
見えないところで
腐敗を深め
より大きな痛みを
抱えていくだけではないのか
私の瘡蓋も
どれほど重なっているのだろう
何度も剥がしてきたから
いつから
どれほど大きくなったのか
もう思い出せない
いつしか
人面瘡となって
私の心から
するりと剥がれ落ちて
どこかへ歩いていってくれたらいい
そうしたら
もう蓋などいらない
傷も
痛みも
私の一部として
ようやく
本当の私が
そこにいるのだと思う
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