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純日本風の家屋と電化製品の付き合いかた。

明治から日本は西洋の文明を取り入れるだけ、取り入れてきました。谷崎潤一郎の鋭い洞察では、西洋の文明は日本に合わないとしています。なるほどと思いました。当たり前に使っている周りのものは、近現代に入ってきた西洋のものです。



日本家屋と電化製品

日本の建築において、電気コードやスイッチはなるべく隠すようにし、障子のガラスは便利だが少し嫌味に感じますし、ストーブはとくに日本座敷に調和しません。電燈は提燈式、行燈式にしたほうがよいですし、浴室と厠はタイル張りではなく木造にしたほうが調和します。
 

トイレと障子

母屋から離れ、寒い日には不便な厠ですが、静かなところで青葉の匂いや苔の匂いを嗅ぎながら用を足すことは、精神が休まり、日本建築の有難みを感じます。夏目漱石は厠でのひとときが生理的快感と言ったそうです。
 障子からもれるほのかな光と木のぬくもりは、自然と調和しようとする考えであり、日本家屋はもともとそのように設計されているのです。
 
日本に科学文明が発達していましたら、東洋独自の発展を遂げたのではないでしょうか。物理学や化学の原理の考えかた、衣食住の様式は変わり、ペンの筆先は毛にしていたでしょうし、漢字やかな文字への愛着もついていたでしょう。


現代の日本家屋

今の日本では、防寒に優れた鉄骨の建築、耐久性のあるタイル張りの浴室とトイレ、とても便利な世の中ですが、昔の日本建築とは別の方向へと進んでいます。私が子供のころ遊びにいった農家の家ではまだ囲炉裏がありました、冬は寒く、床や柱は年数が経ち黒っぽくなっていましたが、なんでしょう、心地よい気持ちで過ごしたのを覚えています。自然の流れのなかで古くなった木は、味わい深かったように思い出されます。
 
そういえば、おばあちゃんは使った割り箸を捨てずに洗い、ワンカップ大関の箸立てにたくさん入れていました。田んぼの風景のなか、木で作られた家々が、日本の本当の姿ではないでしょうか。立派な高層ビルも素敵ですが、心地よさ、味わいに関しては日本建築のほうが上のように思えます。


#読書の秋2025 #陰翳礼賛


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