見出し画像

「しつかりしていなかつたら、生きていられない。優しくなれなかつたら、生きている資格がない。」 丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)「フィリップ・マーロウといふ男」1962.8 「角川映画とチャンドラーの奇妙な関係」1978.10 『快楽としてのミステリー ちくま文庫』筑摩書房 2012年11月刊  Raymond Chandler (1888.7.23-1959.3.26) Playback (1958)

https://www.amazon.co.jp/dp/415209656X
https://www.amazon.co.jp/dp/415070466X

https://note.com/fe1955/n/n68a2f44ca732
Raymond Chandler (1888.7.23-1959.3.26)
Playback (1958)
レイモンド・チャンドラー
『プレイバック』
村上春樹訳
早川書房 2016年12月刊

丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「フィリップ・マーロウといふ男」
「角川映画とチャンドラーの奇妙な関係」
『快楽としてのミステリー
 ちくま文庫』
筑摩書房 2012年11月刊

https://www.amazon.co.jp/dp/415209656X

https://www.amazon.co.jp/dp/415070466X

試し読み
https://x.gd/oPiId
https://bookwalker.jp/de19a2fe82-827b-4d71-bb9d-85477a7d597d/

https://www.amazon.co.jp/dp/4480429999

https://www.amazon.co.jp/dp/4480429999

試し読み
https://x.gd/V4re8
https://bookwalker.jp/de44a138db-45a5-4fbe-9ed2-104286a90c80/

"If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive."

「「これほど厳しい心を持った人が
どうしてこれほど優しくなれるのかしら?」
「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。
優しくなれないようなら、生きるに値しない」」
『プレイバック』
p.279

「チャンドラーに関する英米の書籍を読んでいても、
この台詞に関する記述がまるで出てこない」
『プレイバック』
p.317
「訳者あとがき」

1949年生まれの
村上春樹さんは、
1978年10月に
『週刊朝日』に掲載され、
単行本
『遊び時間 2』
大和書房 1980.2
文庫本
中公文庫 1983.6
ちくま文庫
『快楽としてのミステリー』2012.11
に収録された、
1925年生まれな
丸谷才一さんんの、
以下の文章、
「角川映画とチャンドラーの奇妙な関係」
を、
『プレイバック』2016.12
刊行時には、読まれていなかったんですね。


「話は二十年近く前にさかのぼるが、当時わたしは
早川書房から出てゐた
『エラリー・クインズ・ミステリ・マガジン』(略称EQMM)
といふ雑誌で、毎号、新刊の翻訳探偵小説を一つ取上げて論じてゐた。
その文章のなかで、あるとき
チャンドラーの
『プレイバック』(清水俊二訳)を、
『EQMM』編集長、小泉太郎にすすめられて取上げ、
私立探偵マーロウについてかう書いたのである。
 
「[略]マーロウは、
「あなたのようにしつかりした男がどうしてそんなに優しくなれるの?」
と女に訊ねられたとき、かう答える。
「しつかりしていなかつたら、生きていられない。
優しくなれなかつたら、生きている資格がない」」

「"If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive."
「やさしくなければ」と角川映画的に訳したのでは、
「ハード」から「ジェントル」への時に応じての変化
といふ一番大事なものが落ちてしまふ。
ここはやはり
「優しくなれなかつたら、生きている資格がない」
と清水俊二ふうに訳すのが正しいのだ。」」
「マイ・スィン 第11回
 フィリップ・マーロウという男」
『EQMM』1962年8月号

「念のため断つておくが、
当時はチャンドラー論なんてアメリカにもなかつたし、
従つてその手のものをわたしは参考にしてゐない。
全部、自分で考へたのである。このマーロウの台詞も、
わたしが名せりふだと指摘する前は別に大向うをうならせては
ゐなかつたもので、つまり誰も注目してゐなかつた。
が、わたしのこの文章によつて、
マーロウのこの台詞はたちまち名声を確立した。
まづ『EQMM』編集長、小泉太郎が
この文句にすつかりいかれてしまひ、
その結果(ここのところがちよつと飛躍してるけれど)
早川書房をやめてハードボイルド専門の探偵小説作家、
生島治郎になり、そして
ハードボイルドとは何かといふむづかしいことを
論ずるたびに、何度も何度もこれを引用した。
さらに、当時はまだ彼の奥さんであつた女流探偵小説作家、
小泉喜美子もまた
(夫唱婦随だつたのか、婦唱夫随だつたのか知らないけれど)
この引用句を熱愛し、探偵小説論、男性論、女性論、恋愛論、
人生論と何を論ずるに当つてもこのマーロウの台詞を引き合ひに出した。
片やわが国ハードボイルドの代表者である美男、
片や女流探偵小説家中、屈指の美女にしてかつ才媛。
この二人の影響力はすごかつたね。
なるほどイカす、と感心して、いろんな人々がこれを引用した。」
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「角川映画とチャンドラーの奇妙な関係」
『週刊朝日』1978年10月20日号
『遊び時間 2』
大和書房 1980.2
中公文庫 1983.6
に収録。
『快楽としてのミステリー
 ちくま文庫』
筑摩書房 2012.11
に再録。
https://www.amazon.co.jp/dp/4480429999

https://note.com/fe1955/n/nd41726da27bb

Raymond Chandler (1888-1959)
The Long Good-bye (1953)
レイモンド・チャンドラー
『ロング・グッドバイ』
村上春樹訳
早川書房 2007年3月刊
『長いお別れ
 ハヤカワ・ミステリ文庫』
清水俊二訳
早川書房 1976年4月刊
古谷三敏(1936-2021)
「ギムレットは甘すぎる?」
和田誠(1936-2019)
「ギムレットには早すぎる」
東理夫(ひがしみちお 1941- )
「マーロウのあばら肉」
https://note.com/fe1955/n/n021e27eaaad9

https://note.com/fe1955/n/nf236daad7399

https://note.com/fe1955/n/n26e000989c48


いいなと思ったら応援しよう!