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女性研究者はなぜ増えない?|出産して渦中にいる女性研究者が考える。


女性研究者支援に補助

2026年8月7日の午前中に、このような文字がYahoo!記事に踊った。
読売新聞ニュースの記事だ。

女性研究者を増やすために、業務を支える制度を作った大学に最大5000万円の補助を出すというものだ。

この記事では、女性研究者が増えない要因は「研究者の多忙さ」としており、その多忙さを解消する取り組みであると書いてある。

女性研究者が増えない要因が、多忙さ。
きっとこの制度を考えたのも、女性ではないのだろうと感じた。

日本で女性研究者が増えないのはなぜか

女性研究者は多忙か。
アカデミアの多忙さは性別には限らないし、今の大学の教員達にお金の調達も学生の指導も全てやらせていて、本業の研究の進捗を妨げているのは問題であると思う。

しかし、それを解消したら女性研究者が増えるとは思えない。

私自身、女性研究者として働いている中で感じる違和感はそこではない。
むしろ、そこまでいけたとしたら、女性研究者としてそれなりに成功している人と言えるだろう。
女性として博士課程を経た後で、結婚や出産もし、それでも研究者という立場に居続けられているのだから。

女性研究者が増えない要因はそこではない。
もっと手前にあるのだ。
そこに対策を講じなければ、日本で女性研究者が増えることはない。

日本で女性が研究者を目指さないのはなぜか

要因は複数あるが、多くが「日本社会」が醸成した雰囲気にある。

高校での壁


まず高校生の時に、進路を考える際に壁がある。
「女の子だったら文系がいいんじゃないの?」
「国立よりも私立の文系いって、良い旦那さんゲットしたほうがいいでしょ」
「女なんて国立行ったって、どうせすぐ仕事辞めるんだから意味ない」
「理系?理系なんていってどうするの?」
「理工学部なんて働けないから、資格の取れる看護にしなさい」

似たような言葉を投げかけられた女性もいるのではないでしょうか。
私は、「薬の研究をする。そのために国立大学の大学院を出る」という明確な目標があったため、外野の声は一切無視した。

しかし、多くの女子高生がこうとは限らない。
ましてや、子供からしたら実際に社会で働いている親や大人の言うことの重みは大きい。

「特別やりたいこともないから、文系のが良さそうだな」
「ちょっと興味あるけど、その程度だと先々苦労するかもしれないから、親の言うとおりにしよう」

高校生の段階で、よっぽど強い意志がない限り、研究者に繋がりやすい国立大学や理系への道が閉ざされてしまう。

大学での壁


大学に進学してからもそうだ。
大学院に進学するかどうか考える際も、
理系は修士まで行く人も増えたものの、まだまだ女性のほうが進学率は低い。

なぜか。
これはおそらく女性のほうが現実的な考えをしていて、
大学院に進学したら、就職も遅くなり、そうなると結婚も遅くなり、さらに出産も遅くなり、高齢により出産を諦めなくてはならなくなるかもしれない。
そのようにリアルに現実を考えると、
よほど強い思いがないと大学院(特に博士後期課程)に進学はしないだろう。

その点、男性は呑気な者だ。
大学院を「モラトリアム期間」と捉え、
必死に働かなくてはならない時期を先延ばしにするくらいの気持ちで進学する人もいる。

けど、この呑気さが、研究者を増やす裾野につながっているとも感じる。
なんとなく大学院進学してみたら、
思っていたより研究が楽しくて、そのまま博士課程に進む人も多い。

そして博士号まで取得すると、
自ずと「アカデミア」の道を考えるようになる。
アカデミアか民間か。

逆に言うと、博士課程の段階まで進まないと、
「アカデミア」や「研究者」という道を考えることはない。
なので、まずは博士課程に進学する学生を増やすことが、
研究者を増やす道につながるのは明白だ。

大学院での壁


大学院、特に博士課程ともなると、
自身で研究をリードし、必要に応じてお金も取ってこなくてはならなくなる。

研究費や補助金の申請には、常に「申請条件」がある。
名目が「若手研究員」となっていたら、35歳ないしは40歳までが条件だ。

この条件を知っている人からすると、
色々申請しやすいのは若いうち
=若いうちにいかに成果を出すかが重要
=結婚・出産で休んでなどいられない
=研究者になるには、35歳や40歳過ぎまで出産待つか、偉くなるのは諦めるしかないのか

女性は賢いです。
特に女性研究者となりうるような方々は、頭の回転が早く、
その道を選んだら先々どうなるかを考えます。

そして上記のような結論に至ると、
「私は結婚も出産もしたいから、研究者の道は厳しいかな」
という思い、アカデミアの道を選ばない人も多いのではないだろうか。


女性研究者を増やすにはどうすれば良いか


それでは、どうしたら日本で女性研究者が増えるのでしょうか。

私は解決策の一つとして、
女性研究者といってもいくつもの道があることを伝えたい。

学生から続きで博士課程に進学しなくても良いです。
働きながら大学院進学する道もあります。
配偶者の転勤などで仕事を辞めざるを得ない場合、選択肢として大学院進学という道を考えるのもありです。

研究は、比較的時間の融通が利きやすいため、
子供の送り迎えをした後に研究することも可能です。

大学の教員であれば、
朝もそこまで早くないし、
帰りも講義や研究を調整すれば遅くならずに帰ることもできます。

そう考えると、
子供を育てながら働く女性とも相性が良いんです。本当は。

こういういろんな道があること、
研究者になるとそれが一つの武器となり、
時間の融通を利かせながら働くこともできます。

最後に

私自身、女性研究者をやっていますが、
もっともっと仲間が増えてほしいと思っています。
けど、研究者になるに当たって不安な要素が多いことも理解しています。

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