「彼女」にはしてもらえない
毎日、朝から晩まで、なんとなく決まったタイミングで、LINEが来て、LINEを返す。メンヘラ製造機と呼ばれるのも納得の、マメさを持つ人物。同時に自分勝手で、急に連絡が途絶えたりもする。それでいて、私のレスポンスが遅いのは、拗ねる。追いラインもくる。わかっているから、私は蔑ろにしたことなんてなかった。
楽しんでいたし、連絡が来るのが嬉しかったし、支えられていたし、何より私は、相手のことが好きだったから。
でも、知り合って10年以上、相手の恋愛対象に入ったことがないことを、私はずっと知っていた。だから、私が持ってる好意は、受け止めてもらえるはずがないのをわかっていた。墓場まで持っていくつもりだった。友だちでいたかったから。私にとっては、そのくらい、大事な相手だった。また会えることなんてない、珍しい、変な人で、唯一無二だったから、大事にしたかった。
向こうは、彼女不在期に、甘える女性が欲しかっただけなのだろう。自覚していようと無自覚であろうと。季節的なものなのか、低気圧にも弱いようで、朝鬱と呼んで、朝を怖がっていた。毎朝絶望すると言っていた。それでは困るだろうと思って、朝元気な私は、朝元気なLINEを送るようにした。仕事にも参っていたようで、気づくと毎日毎日私に弱音を吐くようになった。呼吸するように弱音を吐かれた。実際忙しすぎて、もはや人権がないと言っていたのは、本気の嘆きだったから、いつでも労基に連絡する!と思って、フォーム入力済な画面のスクショ送ったりもしていた。一方で、どこまで本気で心配するのが良いか、考える時も多くあった。だって送られてきた病んでる風の文面は、突然歌の歌詞になっていたり、曲名だったり、映画のタイトルだったりしたから。何度も騙された。あなたの言葉なのか、そうでないのかすら、私にはわからないから、毎回ググって歌詞でないかどうかとか確認してる、私の身にもなれとキレ散らかしたこともある。我ながら妥当だ。大体、他のどの「友だち」に、私にしてるのと同じことをしてるのか言ってみろ、と思ってた。そう思ってることも言った。私にだって、気持ちの波がある。自分が落ち込んでるような時に、泣いてるスタンプ送ってこられても、「本当にあなたという人は私の都合なんて考えることもなく、自分の感情をただ私に垂れ流して、一体なんなんだ、感情のゴミ箱にされている、人間だと思われてない、女性と思われる以前の話、ブラックホールだと思われている」、そう思いながらも、本当に落ち込んでるかもわからず、傷つけるよりは自分が騙される方がマシだからと、どうしたの?って送ってた。御茶の水駅あたりで、ため息つきながら、涙でいっぱいになりながら。私の方が、だんだん、どんどん、仕事で参ってる時期に突入していく。
そして立場逆転となった時、私は弱音を吐くことにした。だってあれだけ、私に弱音吐きまくってきた人だ。おかげさまで、思ったこと全部言えて、キレ散らかすことも何度もできた相手だ。今更、何言ったってお互い様だろう。初めてそう思えたから、誰にも話せずにいた愚痴も、辛さも、悲しさも、苛立ちも、笑い話にしたり、時に深刻だったり、時にガチのSOSに近い状況だったりしながら、LINEしてた。外回りのランチタイムは、いつも泣いてた。移動の時に、食べてるその時に、泣きながらLINEしてた。心の支えだった、私にとっては。
続き明日書きます。
