てらたびnote 目黒 蟠龍寺 岩屋弁天
東京都目黒区下目黒三丁目にある蟠龍寺は、元祖山手七福神巡りの弁才天を祀る。この弁才天は岩窟の中に安置されており、通称「岩屋弁天」と呼ばれている。
現在の蟠龍寺の境内は広くはないが草木が生い茂り池もある。野趣あふれる感あり、参道正面に建つ本堂さえも木々に覆われている。参拝日は天気も良く暑かったので緑陰薫風心地よし。



霊雲山 称明院 蟠龍寺 は浄土宗のお寺さん。ご本尊は木造阿弥陀如来像で、東京都の重要文化財に指定されている。平安末期の仏様らしい。
江戸時代初期の慶安元年(1648)に行人坂に建てられた称明院を、増上寺の霊雲上人が宝永六年(1709)に現在地に移転改名して再興されたと伝える。
寺号にある「蟠龍」とは、とぐろを巻いた龍のことで、天を駆ける前の状態。本堂は少し中がのぞけるので、ちょいと見てみると天井に龍の図がある。
ただしこれが蟠龍なのか飛龍なのか覚えていない。
霊雲山蟠龍寺 安養院と号す。同所橋より一丁ばかり西南、道より右にあり。浄土律にして、縁山に属せり。本尊阿弥陀如来は、慈覚大師の作なり。開山は吟蓮社龍誉一雨霊雲和尚と号す。上野国新田の大光院より退隠の後、当寺草創ありしとなり。境内に丈六の阿弥陀如来の銅像あり。又後の方、山崖の下に岩窟ありて、中に弁財天を安置す。弘法大師の作なりといふ。本宮は門の向にあり。惣門の額に安養院と書せしは、黄檗独湛和尚の筆なり。
本堂右手の少し高い所に弁天堂が建ち、本堂右手裏に廻ると岩屋弁天がある。
弁天堂の弁天様は、お正月一日から七日までの七福神巡りの期間は開扉されるそうだが、いまはお賽銭投入口となっている隙間から中をうかがいみるばかり。当方の視力もあやしいものでよく見えない。
岩屋弁天さまは年中無休でお姿を拝見できる。この石造弁才天は、岩窟内の照明がついているのでよく見える。腕が八本ある八臂弁才天。



境内にはおしろい地蔵さまがいる。噂によると祈願すれば美人になるお地蔵さんらしい。もともとは浅草にあったお地蔵さんで、関東大震災の被災により蟠龍寺へ遷された。
言い伝えによると、顔のあばたで悩んでいた娘さんがお地蔵さんに祈願したところあばたが消えた。
江戸時代には歌舞伎役者が白粉に含まれる鉛の害に悩んで、お地蔵さんの顔に白粉をつけて祈願したと伝わる。

『江戸名所図会』に記載されている「丈六の阿弥陀如来の銅像」はいまはいない。Wikipediaによれば、「1871年(明治4年)にフランスに流出し、現在はパリのセルヌスキー美術館(英語版)(Musée Cernuschi)に所蔵されている」そうだ。なぜそうなったかというと明治の廃仏毀釈が原因。
朱印所の案内がでているので、遠慮なく御朱印をお願いしてみた。とても丁寧な対応をしていただいた。
ご本尊の阿弥陀如来と弁才天をいただく。1枚500円。墨跡も達者なものである。
参拝後に知ったことですが、蟠龍寺には音楽スタジオが併設されている。弁天様は音楽芸能の御利益もあるといわれ、琵琶を抱えた姿で描かれることも少なくないから、佳きかもしれない。
