読書note『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方/成功を引き寄せるマーケティング入門』森岡毅
今月7月25日、沖縄に「ジャングリア沖縄」がオープンする。沖縄北部のやんばるの森に作られるテーマパークは「パワー・バカンス」がテーマで、ディズニーともUSJとも異なる大自然を満喫するリゾートタイプのテーマパークのようだ。
このテーマパークを手掛けるのが森岡毅氏だ。
彼はUSJをV字回復させた男として知られている。現在は、マーケティング精鋭集団「株式会社 刀」の代表取締役CEO。
USJはオープン初年度の2001年こそ来園者1100万人を動員したが、2009年には800万人程度まで落ち込んでいた。
森岡氏は2010年にUSJ入社。そこでUSJをそれまでの映画に特化したテーマパークから、最高のエンターテインメントをお届けするテーマパークに変えた。しかもカネがない中で売り上げを伸ばしてゆく。それは彼のマーケティングの成果である。
今回この沖縄のテーマパークを含めた森岡氏の構想に興味を持った。これまでとは異なるテーマパークらしい。一度は訪れてみたいと思う。沖縄自体が高校の修学旅行で行ったきりだし。
とりあえず一度彼の著書を読んでみようと手にしたのが、この長いタイトルの本書である。ふだんビジネス入門書の類は読まないので脳みその刺激になった。
お子さんからマーケティングって何?と尋ねられたところから本書がスタートしているので、初心者にもマーケティングがわかりやすく書かれている。
またUSJや最初に入社したP&Gでの彼の体験を例に挙げて筆を進めているので、わりと理解しやすいと思う。
それにこのUSJでの実例が面白い。なにしろ資金のない中での奮闘である。
ひとつ挙げると、いまの日本のハロウィンは森岡氏のUSJが始まりだという話がある。
それまでもUSJではハロウィンのイベントはあったが集客につながっていない。安定的な集客のある10月は天候も良く、まだまだ掘り起こせると分析し、その結果、女性をターゲットにして日頃のストレス発散に来園してもらい、叫んで楽しんでもらうというイベントに変えた。これならたいした設備投資もいらない。
これが大当たり。2カ月で40万人を動員。スパイダーマンのアトラクションが年間で動員する数をわずか2か月で達成した。
本書は2016年4月23日初版で、私が手にしたのが、2025年5月15日で48版。
初版から九年で48版も出ているのだから、多くの人々に読まれていることになると思う。
この本はマーケティング入門としているが、マーケティングを目指す人のみならず、他の職能の人でもマーケティング思考を身につけることで、ビジネスでの成功を引き寄せるだろうとしている。
会社や組織のみならず、個人の目的にもマーケティング思考は応用ができそうだ。
目次
プロローグ USJがTDLを越えた日
第1章 USJの成功の秘密はマーケティングにあり
第2章 日本のほとんどの企業は
マーケティングができていない
第3章 マーケティングの本質とは何か?
第4章 「戦略」を学ぼう
第5章 マーケティング・フレームワークを学ぼう
第6章 マーケティングが日本を救う!
第7章 私はどうやってマーケターになったのか?
第8章 マーケターに向いている人、いない人
第9章 キャリアはどうやって作るのか?
エピローグ 未来のマーケターの皆さんへ
