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[おぼろ草#67]人生は結果より、そこへ行きつくまでの道中の方に魅力がある

「お能には橋掛り、歌舞伎にも花道があるように、とかく人生は結果より、そこへ行きつくまでの道中の方に魅力があるようだ。」
白洲正子『かくれ里』

古典文学あるいは旅の資料として謡曲を読むことがある。謡曲竹生島は都から山科四宮、逢坂の関明神を経て鳰の海へたどり着き、真野あたりから漁船で島へ向かう。頃は弥生。
春の近江の竹生島での出来事への導入部は、能の橋掛りという舞台装置と相まってこれからへのワクワク感を誘うのだろう。
実際にお能を観たことがないからこれは妄想でしかない。

歌舞伎なら鑑賞した事あり。
お能の橋掛りが舞台の袖に位置しているのに、歌舞伎の花道は観客の間を通ってくる。舞台への動線の側面が強い橋掛りより、観客に芝居を近くで見せる、或いは役者を魅せるという効果を狙って使われるように思う。
観客は舞台へ向かう演者が花道に登場すると「待ってました!」という気持ちになる。おそらく橋掛り以上にこれから行われる芝居に否が応でも胸が高まる。

実は宝塚にも花道はあるが、これは舞台の左右にあり橋掛りに近い。役者を魅せる場所ならば銀橋(ぎんきょう)のほうが花道らしい。舞台の左右に通じるこの通路は客席から手が届きそうだ。

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