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【ライブレポ】2025/6/28 コント遊戯 第4回公演「大都怪」感想 ※ネタバレあり

2025/6/28初演の「大都怪」初日公演の観劇レポです。

※ネタバレを大いに含みます。閲覧は自己責任でお願いします。
※当日公演後に完全に記憶だけで書いているので荒いです。記憶違いや役名の記憶漏れなどご容赦ください。


脅威の整理番号1桁をもらって最前列ドセンで観るという行幸。何たること。
会場は地下2階。5分前くらいに来たら外まで並んでたけど整番早いので下まで降りて待つ。開場30分押しだったので涼しいところで待てて命拾いしました。初日なのでそういうこともあるよね。

客入りBGM

まず開演待ちの間、場内で引いてたBGMが良すぎた。懐メロ…?と思いきやちゃんとタイトルに合わせて都会や東京モチーフの曲ばかり。吉幾三「俺ら東京さ行くだ」からのPerfume「TOKYO GIRL」からのCLUB PRINCE「LOVEドッきゅん♥」はセンス良すぎて笑いながらDJどなた!?になった。
プレイリストくれ……。

前説

主催の沖田遊戯さんが開演10分前に登壇。
会場の温度感見つつ、あっためつつ、他の演者のファンに気遣いつつ、注意事項を伝達。
この時点でもう期待が膨らみニコニコしてた。
「これから楽しませますよ〜笑わせますから準備しててくださいね〜」みたいな気合いが言外に漲っており、こちらも「笑うぞ〜!」のスイッチがONに。このひと手間が大事だってわかる。

「東恐タワー」

BGMしゃくれて暗転しスポットライト。舞台下手で照らされる阪元監督がもうおもろい。
この直前の前説で沖田さんが「監督も裏で緊張してる、なんかメイクとかしてていつもと全然違う顔になってた、“国宝(吉沢亮)”になってた(時事ネタ)」「登場したら皆さんの知らない顔になってる可能性ある」などと言ってたのが即効く。

佐伯ポインティみたいな一見して無害なわんぱくファッションに身を包み、底抜けに明るいお上りさんみたいなテンションで東京タワーから都会を見下ろす阪元監督。夜景を眺めながら、灯りの一つ一つのもとにいるであろう人々の生活に想像を膨らませ、「頑張ってくださいね〜!」と無責任にエールを送る。
スポットライトが切り替わり、上手では彼が見ていた夜景の灯りのもと人間劇が繰り広げられる。

六本木では残業しているサラリーマン(たかみち店長)が見下ろしてくる東京タワーにブチギレており(これ自分もやったことがあり、東京サラリーマンとしての共感がエグかった)、渋谷ではホスト(?)(水石亜飛夢)と客の女(福井夏)の痴情のもつれによる刃傷沙汰、池袋の個人配信アイドル(園凛)はスパチャしないキモ客に悪態を付き、新宿ではSWAT(沖田遊戯)が爆弾を解体できず焦っていた……ここで電話がかかってきて冒頭の阪元監督と繋がる。
そう、東京タワーから楽しげに夜景を見下ろしていたのは実は快楽爆弾魔だった──。

この「東京タワーから見下ろす」ミクロからマクロへと視点を絞り、物語を収束していく流れ、一発目のコントのこの流れが今回のライブに通底しており、最後のタイトルコント「大都怪」まで雪崩込むことを示唆しているのがストーリーラインとしてまず秀逸。

遠くから眺める分には美しく憧れの街である大都会、でもよくよく近づいてみると、怖くて、キモくて、汚くて、危なくて、なるほど「怪」という字を当てるのはピッタリ。

でも、それって大都会が「大都怪」だからなのだろうか?
人間が持つそもそもの性質がそうだから、人が沢山集まる都会では多くの事象が起きているだけでは?

恐ろしいけど、救いがないわけじゃない。何よりこの街は「面白い」
そんな伏線が張られた後、オープニングへ。

OPV

オープニングの映像もオリジナルのテーマ曲も良すぎた…!!!何とかして音源だけでもまた聞きたいくらいカッッッコよくてこの時点でド肝。曲中にサンプリングされている曲が客入りBGMでも流れていたのがまた伏線でとっても良き。

今回、KVの素晴らしさにもブチ抜かれて、それも観劇を決めた決め手であったけど、この映像見てもう勝ち確を悟った。世界観が伝わるし豪華〜。

「コラボカフェ」

タイトル出た瞬間、身に覚えがありまくるオタクは身構えてしまった。
普段はリアルアキバボーイズを推している身の上なので、チェックシャツinズボンで阪元監督が登場した瞬間、喜びと驚きと笑いでめちゃくちゃになった。あまりに見慣れすぎている格好だけどやっぱめちゃくちゃ面白いんだなこのオールドスタイルオタクファッションて……。
というかこのオタクくんキャラの阪元監督が刺さりすぎて頭から離れない。助けてくれ。早口オタク口上もう一回聞きたい……。

舞台は「マジカルマキアート」という劇場版化したアニメ(これも転売ヤーと戦ったりインボイス制度や税金と戦う魔法少女モノと示唆されており普通に見たいと思えたw)のコラボカフェ、の待機列。
にわかオタクの女の子の後ろに並んだテンプレオタクくんはその子のちょっとヤンキーっぽいイケメン(オタクの天敵)な彼氏に割り込まれてしまう(並んでいる間の揺れ動くオタク心を顔だけで演じる阪元監督が最高に面白かわいい)。が、ちょうどその二人が来店一万人目に選ばれ、スタッフから祝福され特典を受け取ることになったがために、辛抱たまらず暴走してしまう……という流れ。

いや、オタクくんの気持ちめちゃくちゃわかるよwwwと思いながら、飛び出す刺叉(マジカルステッキ)と取り押さえられるオタクくんのリアクションに爆笑が止まらない。
実際、メタな視点で言うとあるあるすぎる。マーケティング的な意図がない企画なんかないんだから「一万人記念」なんて絶対に客を選んでる。
一見抽選ですみたいな顔してるくじだって一等を誰に与えるかは裏で人選んでいることが往々にしてありますし。社会は「正しくなさ」で回っている。知ってるから笑える。

このオタクくんは害悪厄介オタクとされるかもしれないけど、「お店側が選んだんだからもういいじゃん」という暗黙の了解に楯突くところは、ファン心理というか一消費者的には共感できたし、まっすぐでカッケェとすら思った(マネしてはいけません)。
あのようなオタクくんがもう何人もいたら太刀打ちできないようなフローを組んでる店側が悪いよ(メタすぎる)。

話が逸れたけど、最後はハッピーエンド的に丸く収まるところは後味がよく、しかもまた最後にこのにわかオタク女子とオタクくんがオタク友達として再登場するので勝手に胸熱。
めちゃくちゃ好きなストーリーでした。

ドキュメント大都会:面接

各コントの幕間に映像コント作品が挟まる。ストーリーは繋がっていて、最後の「大都怪」にまで展開していく。転換の間の繋ぎをコンテンツとして成立させており、しかも本筋にまで絡めていくめちゃくちゃ面白い演出で満足度高かった!
阪元監督が撮ってるんだから当たり前というか、豪華すぎか。

このドキュメンタリーの主人公は沖田さん演じる冴えない「アズマくん」というフリーター。エンドロール見損ねたけどこれ沖田さん脚本なのかな。だとしたら自分の魅力を理解しすぎている……。

何となく上京し、やりたいことも見つからず、バイトも続かず、「自分にはもっと向いている仕事が/輝ける場所があるはず」とフワフワしながらバイトを転々としている。バカっぽいが愛想がよく素直で、悪い子ではないとすぐわかる。しかしここは大都怪。そういう子ほど食い物にされるのだ。
一目見て「ああ……騙されそう……」と感じさせるバカっぽさと人の良さ、沖田遊戯さん演技うますぎる。

思った通り、シーシャバー(「今はシーシャっすよ!」)のスタッフ面接に行く日に見知らぬオッサンに掴まってたかられ、自販機で謎にドリンクを買わされた挙句、カフェに連れ込まれ一時間謎の説教をくらい、面接の時間は過ぎてしまい見送りに。あーあ……。

断るなりブチ切れるなり警察呼ぶなりすりゃいいのに、と思うのは私が都会の人間だからだろうか?
先のコラボカフェに出てきたにわかオタク女子ことキョウコちゃんなら難なくこんなジジイも処理できていたであろうが、彼女は最後「友達も彼氏もいて学校も楽しくて実家も太い」と「持つ側」であることを断言し種明かしされる。その辺の解像度も高い。

そもそも、この映像を撮っている「ディレクター(阪元監督)」も「怪」側なのである。ドキュメンタリーをどういう経緯で撮ることになったか詳しくは明かされていない(確か)が、何となく二束三文のバイト代を掴まされたか、都会っぽい売り文句に釣られてアズマくんは引き受けたのだろうと思わされる。

それが証拠に、最初はAVのイントロみたいなインタビューして弄ったりもするし、たかりおじさんに声をかけられてアズマくんに戸惑いの視線を向けられてもディレクターは特に助けることもせず、「親切にした方がいいよ」と面白そうに促すのである。そりゃカメラ的にはその方が面白いだろう。

テレビ局、というかメディアの悪いところがちゃんと描かれている。

「新川先生」

阪元監督が水石亜飛夢に当て書きしたキャラ、「新川先生」が出てくる。またとんでもないのが生まれてしまったw
「インテリジェンス田坂みたいな」と水石さん自身が言ってたけど、あそこまでくどくないにしてもクセ強キャラすぎて笑ってしまった。顔がいい事で余計に面白いの、好きすぎる。

舞台は某所で行われているいかにも怪しげな、「ネットで話題」とされるセミナー会場。「社会と自己を接続する」などという胡散臭いテーマに、不信感を露わにするロジカルな彼女(無理やり連れてこられたっぽい)(園凛)に詰められタジタジになりながらも期待に胸を膨らませるおバカっぽい彼氏(沖田遊戯)。

「現代社会接続論」なる、幸福論めいた現代っぽい話を何となく聞かされるうち、何故か話は「猫舌」についてに転んでいく。その為に舞台上でカップラーメン作るのも、タンクトップ一丁で見事に啜る阪元監督もオモロすぎる。ぼんやりした助手の「はい!」の返事、ハキハキしてるのに間抜けな声、あれどうなってんだw

猫舌の後また話が展開するのかと思いきや、まさかの猫舌が本題。猫舌が原因で起きている悲惨な暴力事件の映像を見せられ、過激に反抗していた彼女は見事に反転。涙ながらに「猫舌、治したい!」に。
通常月々6,800円のところ半年分一括支払いで6万円(なんと入会金0円!)のおトクなプラン(!?)で入会し、猫舌改善に勤しむ。ちなみに猫舌が治ったら次は三角食べができないのを治すコースにハマらされる無限ループがオチとして提示される。

このコントも皮肉と示唆に飛んでてめっっっっちゃ好みでした。
ざっとこの流れだけで、簡単なことを小難しく言い換えただけで流行らせるマーケティング、溢れかえる美容や健康関連のコンプレックスを刺激する恐怖訴求の蔓延、胡散臭い情報商材ビジネス、過激な映像を見せて思想転換を図る手法(ヴィーガンとかでありがち)などへの皮肉が見て取れるし、最後には「猫舌の人権を守る会」みたいなのが出てきて武力衝突してる。(猫舌には熱湯をぶっかけるのが効く、とかいう乱暴な設定がまた草)

そうそう、広告塔が「美形である」というのも重要なファクター。私も水石亜飛夢に優しく諭されたら怪しい水くらい買うかもしれないし……何を隠そう私も猫舌なもんで(あかんて)。

ドキュメント大都会:ホストクラブ

アズマくんの気になるその後。なんとホストクラブに採用になり、今日からさっそく出勤することになっていた。バッドエンドの予感に震えながら見守る。
カリスマホストである龍王さんに命名してもらい(上石神井萌音)(爆笑)、直々に指導して貰えることに。
さっそく一緒に卓の姫に付くが、案の定次々にやらかし、その度に呼び出されて龍王さんに説教を食らう。「まあそりゃダメだわな」と見ていたら、龍王の説教は徐々に「支配しろ」をキーワードに白熱し、ついにはアズマくんにシャンパンを入れた姫やボーッと撮影し続けていたディレクターまで呼び出されて龍王さんに詰められる。最後には姫がアズマくんをガン詰めして泣かすオチ。

「中学生の時“おもろい枠”だった」という過去の小さな栄光にしがみつくアズマくんの可愛さと矮小さが面白いんだけど、誰しもこういう所はある。
あと全く本筋ではないが、龍王さんの叱り方、後半はともかくとして指導としてちゃんとしてるのがめちゃくちゃ好きだったw
人前では決して注意せず(客前だから当たり前だが)、「何がダメだったかわかる?」と聞いてから、感情的にならず淡々と改善すべき点と答えを教えて、「わかったなら戻ろう」と再びチャンスを与える。
「面白くない」と教えてもらえるのって、アズマくんにとっては必要だったような気はする。

「ナガえもん」

あからさまにドラえもんのパロディ。
劇場版などで熱い冒険をして固い友情を結び、「いつかまた、絶対に会おうね!」と言って涙ながらに別れた主人公たちと映画だけのキャラたちが、「実際再会することはあるんか?」という着眼点がもう面白かった。

地底のアリ王国では、王子が半年後も今や遅しと主人公たちの再訪を待っていた。王は「そういうこと(会おうと言って会わない)もある」と諭すが王子は頑なに主人公を信じており、電話して王位継承の式典に招待しようとする。
のび太(のび太ではない)(水石亜飛夢)は「どちら様……?あっ、ああ〜〜!スケジュールが……行けたら行くわ!」みたいな温度感。

案の定、再訪する訳もなく、そのまま15年の月日が流れ、王となった元王子は地上の様子を覗いてみることに。友人の結婚式でスピーチしているのび太(のび太ではない)を見守り、アリ王国への言及を今や遅しと待つが……オチは一応伏せとく。「来るぞ……」と思ってても笑ったやつ。

ドキュメント大都会:TSUTAYA

おいアズマくんどうなった……と思ったら、ホストをやめて中野のTSUTAYAでバイトしていた。いや〜よかった。しかし全然よくなかったのである。

浅〜いサブカル・オタク知識をひけらかし、「このバイト当たりっす!」「先輩もいい人だし今度こそ続けられそう!」とニコニコのアズマくんに襲いかかる「怪」こそ、その先輩だったのである。

いやもう、このTSUTAYAの先輩の情報量がヤバくて全体の印象の3割くらいこの先輩かもしれん。
先輩と交流を深めたいアズマくん、雑談を沢山しかけていく(よい子)が、その度に剥き出しになっていく先輩の狂気に触れてSAN値が減り続けていく。

・駐輪場でロックがかかるギリギリで停めている違法駐輪の自転車を持ち出して恫喝し罰金を脅し取っているのがバイト以外の収入源
・SNSで推しにメロいなどと言っているおじさんに「オッサンがメロいとか言うな」と引用やリプを付ける
・違法駐輪恫喝で儲けた金を資金に、SNSでギリギリの悪口を言っている連中の開示請求をするのが趣味
・コナンの映画を初日に見に行き、犯人の名前をアカウント名にしてこれから見に行くらしき人に片っ端からいいねする

わ、わァ〜〜!!!!!
アズマくんでなくてもちいかわ泣きしちまうこれは……実際に会ったことはなくても、この社会に確実に存在している「怪」の正体にいきなり相対してしまうアズマくん。かわいそう。

でも店長はいい人だから……!と己を奮い立たせるが、なんとその店長からこの店が今月(6/30)で閉店してしまうことを告げられ心が折れる。いやそれは採用時に絶対言っておいてやれよ。
とうとうSAN値が底を尽き、奇声を上げて都会の夜の闇を走り去るアズマくん。一体どうなってしまうんや……。

「対世界」

某国のスターが来日し、プロデューサーから「爆笑を取れ(れば世界デビューできるかもよ)」と圧をかけられたインタビュアー役の芸人(ボンバー何某。名前忘れてしまった)。気合を入れてギャグを披露するが、堅物の通訳とイマイチ噛み合わずダダ滑り。笑いのツボがズレているのを自覚しつつ、結託してネタ合わせして何とか笑いを取ろうとするが……!?という流れ。
オチ、若干見えてたけどもうこれは勢いで笑ってしまうw

たかみち店長さんのキャラとバチコリに合っていて本当に芸人さんやんけ!?と思っていたら本当に芸人さんだった(後から調べた)(不勉強ですみません)。
これは「滑るギャグ」をやることが確定しているので笑ったらアカンのかなと思いながらも、普通に笑ってしまった。骨盤バンバーン!が頭から離れないので普通に良ギャグ。軽快なステップ好きすぎる。

ドキュメント:闇バイト

もう明らかにヤバい。

最初の家とは違う扉が映る。アパート……?民宿……?いやタコ部屋じゃ……簡易宿泊所どころでもなくなっている……
中には暗い部屋に立ち尽くすアズマくんの後ろ姿。すわ首でも吊ってるかと焦るような暗さと痩せた姿(沖田さんがめちゃくちゃ痩せ型なだけなんだが)。

虚ろな顔でタバコを吸いながら闇バイトに堕ちた顛末を語る傍らのシンクには透明な液体が入ったビンとタオルに包まれた包丁が。
そんな調子で「明日は絶対に密着した方がいい」とキマった顔で宣うアズマくん……。

明らかにヤバいと察したディレクターだが、「この企画自体が頓挫し、自分も左遷させられてグラビアアイドルの競馬チャンネルに飛ばされた」と煽り(要らんこと言うなよ)、アズマくんは「友達だと思ってたのにあなたも見捨てるんですね」とボソリと本音を漏らしてしまう。

「友達ではない」と断言し逃げるように部屋を出るディレクターに「明日は密着しないと後悔しますよ」と言い募るアズマくん。怖い。何をする気だ。というか明らかに事件を起こす気じゃないか。

「大都怪」

都会のど真ん中。 道行く様々な人たち。

交通整理のおじさん(やたら見覚えのあるステップを踏んでいる)、ビラ配りのお兄さん(やたら見覚えのある白衣メガネのイケメン)、スマホで道行く変な人たちを実況しながら誰かに迎えを催促している気の強そうな女の子は冒頭の「コラボカフェ」にいたキョウコちゃんだ。

ビラ配り勧誘お兄さんこと新川先生に捕まっていたのは、沖田さん演じるアズマくん。リュックの紐を固く握り締め、思い詰めたように俯いているが新川先生はお構いなしに勧誘を続ける。見かねた交通整理のおじさんことボンバー何某が声をかけると堰を切ったように暴れて包丁を取り出す。

一触即発、ヒリつきそうな状況だがここは「大都怪」。都会って他人に無関心だよね。良くも悪くも。
動じずにカメラを向けるキョウコちゃん、明るく励ますボンバー何某、硫酸を飲み干す新川先生(!!?)。
最終的に刺叉(マジカルステッキ)を持って颯爽と登場したオタクくん(サイコ~!!!)、道端に捨てられていたナガえもんも合流し、映像コントも含めここまでのコントに登場したキャラクターが大集合。群像劇だったコントが一つの地点に収束する。
このアベンジャーズ的な流れはみんなが好きなやつ~!!

「誰でもよかった」と言いながら弱者(力が弱そうな女性である自分)を選ぶアズマくんをガン詰めするキョウコちゃん。「社会が俺を見捨てたんだ!」と悲嘆に暮れるアズマくんの肩を叩き、「でも、今めっちゃ楽しくない?この状況を作り出したのは、あなただよ」と告げる。いやハートが強い。強すぎる。
彼女の強さは「持つ側」たる自己肯定感の強さからくるのかもしれないというのは先に書いた通りだけど、めちゃくちゃ現代的なキャラでいいなと思った。「あんたに何があったかは知らないし、知りたくもない」と言いながら、「でも今楽しい」と言ってのける。この刹那的な感じが確かに大都会(というか東京)にはあり、場合によっては冷たくも救いにもなる。

過去にどんなことがあろうと、やり直せるし埋没できる。「大都怪」を形作る、夜景の一つの灯りとして。

同じく「見捨てられたもの」であるナガえもんがアズマくんの持っていた包丁を受け取り、分解・再構築をして美しい東京タワーの小さなオブジェを手渡す。「……きれいだな」というアズマくんの一言で幕は閉じる。

オチはパンチのあるものというよりは、ストーリーラインとしてとてもきれいな終わり方だった。群像劇かと思って見始めたら、きっちり一本の映画を通してみたような重量感と満足感。

コントライブをそんなに見たことあるわけではないので比較ができないのだけど、こんなに良質なエンタメならもっと早く触れておけばよかった!と思わされる公演でした。

●エンドロール:締め挨拶

エンドロール必死で見て「テーマ曲やはりオリジナルなんだ」とか「最初のコント、東恐タワーってタイトルだったんだ」とか「新川先生って書くんだ」とかいろいろ気付きがあり楽しかったけど全然見切れませんでした。
メモも取らず、全力で楽しんだ後の搾りカスみたいな記憶で書いているので見落としがたくさんありそう。元々明日はいけないんだけど、もう一度見れたらよかったのに……と思っている6/29の深夜2時です。

閉演の挨拶は実にサッパリとしており、当たり前なのかもだけどアンコールやカーテンコールみたいなのもなく、それも良かった。

まとめ

各演者さんについて。名前にSNSのリンクなど付けてあります。

●沖田遊戯さん
主催の沖田遊戯さん。今回で初めて存じ上げたのだけど、まだ26歳とな!!!!
最高ですね。まだまだ見たいと思わされました。今後の公演情報も追いたいと思います。
全編通して素晴らしかったけど、アズマくん役の演じっぷりは忘れられそうにない。恐怖と笑い(コメディとホラー)は作り方が似ている、というのを素で思い出させられた。
阪元監督とどのように脚本を作り上げたのか、めちゃくちゃ気になる。どちらが書かれたコントも素晴らしく、ものすごいシナジーがあると感じたのでまたコラボしてくれたら嬉しいなあ。
OPVのおしゃれさ、演出へのこだわりなど、初見でも随所に感じられたので、ぜひ他の公演も見て比べてみたい気持ちになりました。

●阪元裕吾さん
ベイビーわるきゅーれ監督でおなじみの阪元裕吾さん。生で見るのはベビわる2の舞台挨拶イベントぶり?かな。
監督の姿しかもちろん存じ上げないので、今回はめちゃくちゃ期待して、ぜひ見たいと思ってチケット取ったのですが、期待を50段階くらい超えていかれた。そゆとこ。天才。大好き。(語彙力)
初日一発目ということもあり、セリフ噛んだり震えていたりというのも垣間見えたんだけど、そんな初々しさがまた「見に来てよかった…」と思わせてくれました。そしてそんな邪念は吹き飛ばすほどのまさに怪演ぶりでした。

水石亜飛夢さん
ベビわる田坂でおなじみの水石亜土夢さん。
阪元監督×水石さんのタッグとなったら見ねばなるまい……とチケット取って本当によかった。水石さんもベビわるの舞台挨拶イベで見たことあるんだけど、最前ドセンで浴びる顔の良さがものすんごい。完璧に甘い顔に甘い声、抜群のスタイルで、異常行動。これです。これを求めていました。新川先生というキャラに出会えて嬉しい。尋常じゃないセリフばっかりでしたが見事に演じきっていて信頼しかないです。ありがとうございました。

●園凛さん
「コラボカフェ」キョウコちゃんや「新川先生」で洗脳される女子を演じていた園凛さん。「ナガえもん」でmixi2にどっぷりになる姫やってたのもよかった。
総じて意志の強い女の子像にぴったりなビジュアルと声ですごく好きだった。なんだろう、見ていると奈良美智さんの描く女の子みたいなイメージが湧きます。小柄ながらハリのある声と強い眼差しで力のある女優さんなんだなあと初見で思わされました。

●福井夏さん
「ナガえもん」のナガえもん役や「対世界」で通訳役を演じていた福井夏さん。冒頭「東恐タワー」で演じていたメンヘラストーカー女が第一印象になったけど凄い良かったw
福井さん演じるナガえもんにマスコット的な可愛さがちゃんとあったお陰でギリ保たれていたカオスの均衡があった気がする。特に最後の「大都怪」。キャスティングうまいなあ……と思いました。
締め挨拶のときのちいちゃい声も可愛かった。

●たかみち店長さん
「東恐タワー」のブチギレサラリーマンに始まり、「コラボカフェ」の店長、「ナガえもん」の王様、「対世界」の芸人、もう全部面白かったたかみち店長さん。一発で好きになった。め~ちゃくちゃ笑わせてもらいました。
特に芸人を演じている時の迫力ときたら、本物の芸人さんと知らずに見ていたけど本物の芸人さんだと思っていました(?)
ラストのちょっとしたトラブルもスマートに切り抜けるプロ根性みたいなものにも撃ち抜かれてしまった。
発声の瞬発力というか底力というか、そういうところにダントツの力があって素敵でした。あとステップも華麗だったw


総じて満足度100点満点中500点という感じ。正直、期待値をこんなにも大きく超えると思っていなくて、夜中まで感想を一万字も書き殴ってしまいました。
見ての通り言語化オタクなので文脈のあるエンタメが好きなんだけど、今回のコントライブはまさにそれでぶっ刺さり。円盤があれば布教するのに~~とハンケチを噛んでいますが、また気になるコントライブを見つけて生で見に行きたいと思います!

余談

終演後、地上から隔絶された地下2階から階段を上り、夜の新宿にポン、と放り出された感覚。この舞台を見た後に、まさに「大都怪」のど真ん中に一人佇む感覚が気持ち良すぎて、これ新しいアトラクションやな……と思いました。
都会の人の気配を感じたくなって、そしてちょっとなんか辛酸を感じたくなって、一人で賑わっているカレー屋さんに入って、遅めの晩ご飯を食べて帰りました。猫舌で甘党の自分には辛くて熱くて、ちょうどよかった。
夜遅くてもお店が開いていて、灯りが付いていて、人がいる。ここは大都怪、いや大都会。

東京育ちとして、東京のことを嫌いな部分も勿論あるけど、やっぱり肌に合うのはここだなとしみじみしながら一人電車に揺られて帰りましたとさ。



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