音に手を合わせた日。純正律ピアノが身体に起こしたこと〜北海道に向かうことになったきっかけ〜
4月19日、札幌芸術劇場にて、さとうみつろうさんの弾く「純正律のピアノ」を聴きに行きました。
でも、この体験のはじまりは、ちょうど一ヶ月前にさかのぼります。
たまたま流れてきた、Facebookの投稿。
そのときの私は、さとうみつろうさんのことをまったく知りませんでした。
翌日、「純正律のアップライトピアノをYouTubeで生配信します」という告知を見て、
なんとなく気になって、湯船につかりながらその音を聴いてみたんです。
最初に感じたのは、音の“透き通り方”でした。
目を閉じて、ただ響きを味わっていると、身体の力がすっと抜けていく感覚がありました。
そして、そこで起きたのが
自分でも予想していなかった反応でした。
身体が、勝手に動き始めたんです。
目は閉じたまま、音に集中している状態。
それなのに、首が普段曲げない方向へゆっくりと傾いて、そのまま静止する。
腕はお湯をばしゃばしゃと揺らしながら、動き続ける。
“自分の身体なのに、自分の意思で動かしていない”
そんな不思議な感覚が、はっきりとありました。
一方で、絶対音感を持つ私は、
はじめは音程のわずかなズレに反応していました。
「あれ?」という違和感。
そのズレがだんだんと強く感じられて、
まるで脳内を直接叩かれているような響きに変わっていく。
正直に言えば、少し気持ち悪くなりそう、目眩が起きそうな感覚もありました。
それでも同時に、
身体がゆるみ、勝手に動いているこの状態は、
どこか心地よくもあったんです。
外から見たら、きっと少し怖い光景だったと思います。(ただし、湯船という完全プライベート空間なのでよかった笑)
それでも私は、そのまま目を閉じて、
ただ起きていることを感じ続けていました。
時間にして、おそらく15分ほど。
演奏が終わりに近づいたとき、
私の身体は自然と、音の出ているスマホへ向かって
両手を合わせていました。
祈るような姿勢のまま、ただ、止まっていたんです。
「ああ、これはきっと
この音に対して、身体が“ありがとう”をしているんだな」
そう、直感的に思いました。
目を開けたとき、わたしは
これは、生で聴かないといけない。
この音を、全身で受け取りたい。
その気持ちでいっぱいでした。
その後、演奏会が全国で行われることを知り、
日程を確認したところ、無理なく行けるのが4月の北海道公演でした。
関東在住の私にとって、決して近い場所ではありません。
それでも、そのときは迷いませんでした。
「行く」と、決めていたからです。
こうして私は、
北海道へ向かうことになったのです。
※当日の体験については、次の記事で書きます。
