百の燈(ともしび) 前編
今回の物語はタイトル通りそのままです。
普通に怖い話となっていますが…続編を書くつもりですの少し中途半端かもしれないです…まあ、楽しんでみてください。
ホラーと幻想が絡み合う怪談と幻想的な闇の小道と、灯火に包まれた神社の空気感…
では…本編へーお楽しみ
プロローグ:灯されし願い
東京の片隅――いつも通る帰り道に、一つだけ見慣れない小道があることに気づくのは、ふとした瞬間だ。街灯の明かりが届かない、闇に沈んだその細道には、どこか引き寄せられるような妙な魅力がある。好奇心と少しの疲労が背中を押し、少女・沙希はその道へと足を踏み入れた。
誰もいないはずなのに、誰かの視線を感じる。空気が変わる。小道の先にあったのは、廃れた神社。その社の中には――百本のローソクが灯されていた。
それが、すべての始まりだった。
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第一章:見慣れない道
「こんなとこ、あったっけ……?」
バイト帰りの沙希が気づいたのは、いつもの交差点に続くはずの道に、妙に奥行きのある小道が延びていることだった。古びた石畳が雑草に埋もれ、左右にはくすんだ民家が並んでいる。何度も通っているのに、記憶にはない。
スマホを確認しても、地図には表示されない。奇妙に思いながらも、沙希はその小道へと足を踏み入れる。
しばらく歩くと、視界の奥に薄暗い神社が現れた。鳥居は崩れかけ、社の扉はわずかに開いている。
そして、そこには――百本のローソクが、誰もいないはずの社の中で、不気味に揺らめいていた。
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第二章:灯りの意味
沙希が踏み入れた社には、古びた机と帳簿が残されていた。「願いの火」と書かれた見開きページに、人の名前と一言が羅列されている。
“母を許してほしい”
“彼が帰ってくるように”
“あの日の記憶を戻してほしい”
百本のローソクには、それぞれ誰かの「未練」が託されているらしい。沙希はふと、一番奥にある火の前で足を止める。そこだけ、火が揺れていなかった。
“沙希 真実を知りたい”
驚きと恐怖が彼女の全身を襲う。これは――自分の名前だった。
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第三章:影の声
その夜、沙希の部屋に誰かの囁き声が届くようになる。「見つけたね」「消えない火があるの」「君は灯したんだよ」
目を閉じれば小道が見える。夢なのか現実なのか判別がつかない日々の中、彼女は記憶を辿り始める。幼い頃、事故で亡くした友人・志乃。最後に一緒にいた夜のこと。
だが志乃の死因は「事故」とされていたはずだった。
ある夜、神社に戻った沙希は、帳簿の中に「志乃 真実を暴いてほしい」と記された火を見つける。その瞬間、社の中が冷気に包まれた。
「灯したのは、貴女。犯人は――私じゃない」
声が響いた。
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第四章:霧に消えた灯
ローソクの火が一つずつ消えていく。残された灯は七本。
帳簿には名前に横線が引かれていた。「成就」ではなく「抹消」。願いが叶うのではなく、記憶ごと消されていく。
沙希は真実に辿り着く。志乃は事故ではなく、誰かに突き落とされていた。目撃者がいたのに、沈黙を選んだ大人たち。そして、沙希の両親も……。
神社の奥から声がする。志乃の霊が現れる。「灯せば真実は現れる。でも、代償もある」
沙希は最後の火を灯す決意をする。
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第五章:百の燈、そして
最後の火が灯された瞬間、神社は崩れ、沙希は深い闇の中に引き込まれる。
目を覚ますと、彼女はいつもの道に戻っていた。神社も小道も、何もなかったかのように。
でも、家に帰ると机の上に古びた帳簿が置かれていた。「願いの火」の文字。そして、“沙希 もう一度灯す?”というページだけが開かれていた。
彼女は手を伸ばす。そして――ページは静かに燃え上がり、灰になった。
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あとがき:願いの先にあるもの
願いとは、時に過去を引きずり、未来を塗り替えてしまうものかもしれない。灯された火は真実を映すが、それが光か闇かは誰にも分からない。
「百の燈」は、過去と向き合う少女の選択の物語です。幽霊が犯人ではなかったとしても、その存在が人の罪を映す鏡だったとしたら……あなたは、火を灯せますか?
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