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大人の動物園遠足8 ライオンバス

この動物園に日本初のライオンバスができたのは
1964年5月
金網のない
至近距離でライオンを観察できるこのスタイルは
当時世界からも注目された

今や、ライオンを見たくて乗るんじゃなくて
ライオンバスに乗りたくて
ライオンバスに乗る
特別なバス

バスはゆっくりと出発した。
その速度が
子供の頃乗った記憶を蘇らせる

そういえばついぞ一度も
野生的に走り回るライオンは見たことがない
そもそも野生でも日常はそうらしいけど
たいがい寝そべって、だらだらしている
もちろん今日も、、、

運転手さんは懸命に
窓枠を カンカンカンカンと
けたたましく叩く合図で
ライオンを呼んでくれる

「はーい! ナナちゃん来てくれましたよ〜」
「あそこにいるのがイチゴちゃんです」
と、百獣の王は
「ちゃん」付けでますます威厳はない

お腹いっぱいでお昼寝中だったライオンも
「しょうがないわね、相手してやるか」
とのっそりやってきて
バスに貼り付けられたお肉を食べて見せてくれた。

王道のライオンバスが
戻ってくると
後ろの扉が静かに閉じて
私たちの遠足も終わった。

同い年のオランウータンに始まった遠足
73歳のゾウのアヌーラを筆頭に
20歳を超える子も珍しくない

思えば、
私が子どもの頃も
学生時代も
バリバリ仕事をしていた時も
同じだけの時間
彼らもここにいた。

なんて長い時間を
一緒に生きてきたんだろう
ヒトが作って守り続けた動物園で
安心して生涯をおくる動物たち

また会いにこよう
同じ時間を生きてきた
愛おしい仲間に会うために







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