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失敗しよう! そして、それをみんなと共有しよう!

人の失敗経験を聞くのは楽しい。

日経新聞に「私の履歴書」という、1か月間でその人の人生をふりかえる連載があり、大体はじめの10日間がいちばんおもしろい。そのころは誰もが失敗の連続で、大抵とんでもないことをやっている。その後、多くの人が成功していくのだが、成功が見えてきてからの話は、よく耳にする、あまり驚きのない内容になっていく。

そして経済的自立の実現は、失敗なくしてはあり得ない。わかりやすいのは投資である。

「不確実な世界において、自分で試してみて自分の身体で学ばないといけない。勉強ではなく、スポーツ。勝ちもあれば負けもある」

ただこう考えると、仕事も同じである。とくに仕事を取り巻く環境の不確実性は、確実に増している。そして今後も確実に、不確実性は確実に増していく(あえて「確実」と重ねている)。

投資でも仕事でも、フロイド・メイフェザー氏のように、50戦50勝とは決していかない。那須川天心氏のように、47戦47勝ともいかない。ユニクロの柳井正氏がいう1勝9敗とまではいわないが、相当の失敗を今から覚悟しておいたほうがよい。

今後見込まれる失敗に対する耐性をつけるといった意味も含め、ここであなたにいいたいのは、「調子に乗って失敗しよう」ということである。

ビジネス界では「アジャイル」がブームになっていることもあり、「失敗することが大事」ということを認めさせようとするムーブメントがある。「チャレンジなき成功より、チャレンジした失敗を評価しよう」というのが主たる主張である。

ただこれは、いろいろな思惑が絡んで複雑な感じになっている。そもそもいちばん上にいる経営層は、基本的に成功を義務付けられている。「新規事業で200億円の損失出したけど、チャレンジしたからいいよ」とは言われない。その失敗経験から学ぶことは多くあるだろうが、その損失を出した本人は間違いなく左遷だろう。

「今年の利益は昨年の+20%になりました。トップの私は何もやらなかったけど」と言っても、「あなたはチャレンジしなかったら評価しない」とはならないだろう。

いちばん上がこのような構造になっているので、失敗を評価する取り組みを進めるのに、なかなか苦戦しているように感じる。

私が思うのは、「失敗はそれを評価するものではなく、みんなで共有して(いい意味で)楽しむもの」ということである。失敗が自分のために役立つことはいうまでもないが、他の人を楽しませることにもなると思うと、気がラクではないか。

ここでさらなるポイントは「調子に乗ること」である。調子に乗っているとガードがゆるくなって、思わぬところで足をすくわれることがよくある。

とくに多いのは、1回目に成功し、そのパターンを2回目に当てはめようとしたケースである。1回目は慎重に物事を考え、細心の注意で事にあたる。その結果、そこそこうまくいくケースが多いと思う。

さらに、1回目はビギナーズラックもある。怖いもの知らずもある。ここで成功のパターンが確立すると、次も同じパターンでいけると考える。そこにまず慢心がある。かつ1回目はラッキーで起こらなかったマズイことが、2回目になぜか起こったりする。そこでガツンとやられてしまう。スポーツでいうと、「優勝するより、連覇が難しい」といわれることと、ほぼ同じロジックである。「2年目のジンクス」ともいう。

まずは調子に乗れるくらい、がんばることである。調子に乗れる状態になったら、ここで慎重になってはいけない。そのまま調子に乗っていこう。そして、そこで何が起こるかを見てみよう。そこで起こった失敗が、あなたにとって大事なことである可能性が高い。

さらに、その経験をみんなと共有しよう。きっと、みんなその失敗の話を楽しんでくれるはずだ。


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