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【デジタル時代のリスキリングの大本命】システム思考その2 最初の成功体験

私が過去150名くらいのデータサイエンティスト候補生と議論し、このシステム思考は論理思考や水平思考と比較して理解が難しい、という意見を多くもらった。一方、理系でなんらかのダイナミクスをやっていた人は、すごくよくわかるとの意見もあった。

この手の一見難しいものに取り組む際に重要なのは、最初の一歩としての小さな成功体験である。あなたにもシステム思考ができるというのを、実際にループ図を自分で書いて実感してもらう。


お金の不安に関する問題のすり替わりの構造

過去に出てきた、お金の不安がなぜ解消されないかを分析した上記のループ図を参考に、表記法について説明する。

矢印の元にあるものが原因、先にあるものが結果である。+は原因と結果に正の相関関係がある、-は負の相関関係があることを示す。斜めの二重線は、原因に対して手を打ったあとで結果につながるのに時間がかかることをあらわす。以上がわかれば、ループ図は自分で作成できる。

それでは早速やっていただこう。お題は、「データを用いた問題解決の能力が向上するほどに、経済的自立への年数が短くなる」である。条件は以下である。

●「データを用いた問題解決の能力」が向上すると、「労働収入および資産収入」が増える。ただし、ここは時間がかかる。
●「労働収入および資産収入」が増えるほど、「投資比率(=手取り収入のうち、投資に回せる比率)」が増える。
●「投資比率」が増えるほど、「経済的自立までの年数」が短くなる。
●「経済的自立までの年数」が短くなるほど、「やる気」が増す。
●「やる気」が増すほど、「データを用いた問題解決の能力」が向上する。

上記条件を元に、実際にループ図を描いてみよう。

・・・

皆さんが最初の一歩をいい感じで踏み出せたと確信している。下記に回答および、実際に起こりうることを書き加えたものを示す。

経済的自立の加速ループと減速ループ

左側の【経済的自立・加速ループ】が上記の演習問題の回答である。このループは、延々と加速していくループであり、労働収入と資産収入が増え続け、結果、経済的自立までの年数が究極的に短くなる。

ただ、実態はそれを止めようとする右側の【経済的自立・減速ループ】が存在する。投資比率が増えると、生活の質が下がる。そして、そのうちに家族の反対が増えてくる。そうすると、経済自立の優先順位が落ち、結果、投資比率が下がる。投資比率が下がると経済的自立までの年数が伸び……という流れである。

この加速と減速のバランスをとっているのが「投資比率」であり、「生活の質」と「経済的自立までの年数」のバランスを見ながら適切な比率を設定することが重要である。

本日は以上です。
次回、実践編をお届けします。


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