『データの民主化と投資の民主化』
かつて戦略コンサルタントをやっていた時、
2022年ごろから、頻繁に「データの民主化」という言葉がお客さまから出てくるようになっていた。
それまでは、データの専門家であるデータサイエンティストをきちんと育てましょう! と主張していたが、
それはそれとして、逆に普通の人もデータを使えるようになった方がビジネスインパクトは大きいということに多くの人が気づき始めたからかと解釈している。
ちなみに「データの民主化」とは以下を意味する。
データ民主化とは、企業や組織がデータを専門家やアナリストだけでなく、すべての人に利用できるようにすることです。つまり、誰でも必要なデータにアクセスし、理解し、活用できる状態を指します。
データ民主化の目的は、誰もが自由にデータを使って業務を改善できるようにすることです。データ民主化を実現することで、さまざまな結果がもたらされます。
たとえば、
多角的な視点から新しいアイデアを得ることができる
数字の共通認識を持つことができ、事実に基づいた建設的な会話ができる
データを正しく理解することで、課題や問題点を早期に発見できる
迅速な意思決定により、PDCAサイクルを素早く展開して運用することができる
データ民主化は、データ活用人材が不足している状況において、誰でもデータ活用を可能とする考え方としてより一層求められています。
そして「データの民主化」が進むと、市民データサイエンティストと呼ばれる一般の人がデータサイエンスに携わるようになる。
市民データサイエンスとは、統計学や高度な分析手法の知識、専門的なプログラミングのスキルや経験をもたないユーザーであっても、高度なアナリティクスによってデータから洞察を得るための取り組みです。
市民データサイエンティストは、専門のデータサイエンティストではなく、既存のアナリティクスの業務を補完する役割を果たします。
データサイエンスの目的は、膨大なデータを収集・解析し、新しい価値を導き出すことです。データサイエンティストの主な仕事内容は、大量の蓄積データを分析し、解析結果を「活用」することです。
データサイエンスは、日常生活における不便の改善、社会活動の活性化など、さまざまな分野や業種において幅広く活用されています。
このデータの民主化が進み、市民データサイエンティストが増えると次に何が起こるかというと、
私は、投資の民主化が進むと予測している。
投資の民主化とは、一般には、
「富裕層や機関投資家に限定されていた投資を、より多くの人々がアクセスできるようにすること」
と言われる。
ただ、ここで問題と私が考えるのは「富裕層や機関投資家に限定されていた投資」自体に価値があるかということである。
価値がないものに多くの人がアクセスできるようになってもあまり意味はない。
価値がある投資を自分で考え、実行できるようになること。
それが本当の意味の「投資の民主化」であると私は考える。
そのためには、「データの民主化」が必須の前提となる。
データを武器として、自分で判断できる『市民投資家』を増やしていきたい。

