【ゲームレビュー】空の軌跡 the 1st をシリーズ完全初見が遊んでみた話
空の軌跡 the 1stのクリアレビューになります。
ストーリーのネタバレはありません。
はじめに
私が一番好きなゲームジャンルはRPGだと、そう言い切れる程度には多くの作品を嗜んできたと思っているし、特に国産RPGの有名なシリーズはあらかた遊んできたと自負していた。
しかし、この軌跡シリーズに関してはずっと手が出せないでいた。
というのもファンの方ならご存知かと思うが、このシリーズは全ての物語が繋がっているのだ。
そしてこの"空の軌跡"が始まりの物語にあたるのだが、長らく移植やリメイクが現行機向けに発売されず、新規は非常に入りにくい状況にあった。私と同じ状況の方は多いのではないだろうか。
そんな状況であったが、事前に配信されていた本作の体験版を遊んでかなり好感触だったので早々と購入。今回初プレイに至ったので感想を語りたいと思う。
概要
主人公は地域の平和をまもる「遊撃士(ブレイサー)」を目指すエステルと相棒のヨシュア。
見習い遊撃士としての一歩を踏み出したふたりは、リベール王国を旅しながら、訪れた場所でさまざまな依頼や事件を解決し、遊撃士(ブレイサー)としての経験を積んでいきます。
プロローグ
遊撃士。
それは民間人の安全と地域の平和を守ることを第一の目的とし、魔獣退治・犯罪防止に従事する者たちのことである。
特定の国家に帰属することなく中立的な立場から活動する遊撃士は、幼い子どもたちの憧れの職業でもあった。
リベール王国ロレントの街近くに暮らし、遊撃士の父を持つ少女エステルもまた、遊撃士への憧れからその道を志した者のひとり。
彼女は姉弟同然に育ってきたヨシュアとともに遊撃士を目指して修行に明け暮れていた。
そんなある日、エステルの父カシウスのもとに一通の手紙が届く。
手紙を読んだカシウスは急用ができたと言ってエステルとヨシュアのふたりを置いて旅立ってしまう。
遊撃士の見習い、《準・遊撃士》になっていたふたりは、カシウスが引き受けるはずだった仕事を代わりに引き受けることになり――
遊撃士としての第一歩を踏みだすのだった。
プレイ概要
Switch2 editionでプレイ。
クリア時間:約50時間(サブクエ消化含む)
難易度:ノーマル

※使用したスクリーンショットは全てSwitch2版のものになります。
良かった点
ビジュアル面
私の勝手な印象として、日本ファルコム作品のグラフィックは数世代遅れているイメージがあった。

実際その印象は当たらずも遠からずといった所で、フィールドや個々のオブジェクトのグラフィックは他社の作品に少し劣る。
しかし、それに反してキャラクターのグラフィックは見事。

私はこのある種のメリハリを理想的な形だと捉えている。
考えてみれば当然の話だが、全ての企業、全てのシリーズが大手のAAAのように潤沢な予算を使える訳ではない。
そんな中、中小企業やインディーズにとっては限られたリソースをどう配分するのかが重要になる訳だが、力を入れる箇所とそうで無い箇所のメリハリをつけている本作はこの点だけで見習うべきお手本になっている。




そして、それはユーザー側にも一定のメリットがある。
先ほどフィールドの表現がやや劣ると申し上げたが、寧ろ大元のグラフィックはこれくらいに留めた方が多くの機種や低スペックPCでも動作が安定するであろうことは明らかで、結果的に間口を広げることに繋がっている。
勿論グラフィックはリッチであればある程良い、という方もいるだろうが、そう望む人の数、何よりそれを実現できる環境がある人は少数だろう。
その為、良かったポイントをグラフィックではなく"ビジュアル"と表現している。
今作は限られた枠の中での全体的な表現がとても上手い作品だ。
キャラクター
前項でキャラクターの造形が良いと申し上げたが、それによって個々のキャラクターの魅力が際立っている。
国産のRPGが非常に優れている点として、キャラクターの魅力が挙げられるが、今作も同様に素晴らしい。
格好いいキャラは格好良く、可愛いキャラはさらに可愛く、個性が際立つ様に表現されている。

見た目で判断するなと言う世の中だけど、やっぱりファーストインプレッションとしてビジュアルは大事。
以下は好きなスクショ。






便利システムの搭載
クリア時間の欄を見ていただければ分かるが、今作はかなりボリューミーだ。
それは力が入っている証拠でもあるのだが、現代においてはここまで物量が多い作品は忌避されがちなのも事実。しかしその点もかなり配慮されている。
・ハイスピードモードによって戦闘及びイベントを高速化できる点-オートモードのセリフ送り時間の変更、イベントスキップも搭載。
・一度行った場所が"軌跡"になる-複雑な構造のダンジョンも多いが、これによって既にどこに行ったかがある程度分かりやすくなっている。

BGM
冒険を彩るBGMも非常に印象的である。
特に私が好きなのは、"銀の意思"という作中の重要な場面で流れる戦闘曲。
是非聴いてみてください。
悪かった点
序盤シナリオの火力不足
原作が20年近く前の作品になるのである程度仕方ないことではあるのだが、シナリオにおける序盤のフックが若干弱い。

近年の作品は現代の浮気しがちなユーザーの興味を離さないようにするためか、序盤から畳み掛けてくることが多い。
それに反して今作はまずお使いからスタートし、本格的に物語が動き出すのは数時間遊んでからになる。 ムービーもそこそこ長いので、人によっては若干退屈に感じるかもしれない。
ボイスに関して
今作はフルボイスではなく、ボイスがある場面と無い場面が併用されている所謂パートボイス形式になっているのだが、正直これがかなり違和感を生んでいる。

例えば新キャラクターが登場した際、そのキャラだけはボイスが有るが、主人公サイドはボイス無しになったり、ずっとボイス無しの会話だったのが途中の一部分だけ急にボイスが付いたりする。
かなり没入感が削がれるので統一して欲しかったのが本音だ。
注意点
以下はゲームプレイ上の注意点である。
一本道のシナリオ
本作は世界中を巡るRPGではなく、一つの国を順繰りに巡っていく古風な?スタイルだ。

その順番もストーリーに沿って決まっているので、基本的に一本道で自由は無い。(ここでの一本道とは、基本的に前のエリアには戻れないという意味も含む)
しかし章ごとに移動する一つのエリア内であれば比較的自由に移動できる。
制約はありつつも"旅してる感"は出ているので、ゲーム設計が上手いのだろう。
複雑なシステム及び世界観

この手のRPGでは見慣れた光景ではあるが、かなり独自用語やシステムが多い。
ゲーム内で丁寧に説明してくれているし、TIPSがいつでも見れるので分かりやすく伝えようとする気概は伝わるが、初心者は慣れるのに時間が必要だろう。

未完結のストーリー
ここでもう一度申し上げさせていただくが、このシリーズのシナリオは今作のみでは完結しない。更に言うと最新作でもまだ完結していないそうだ。
そうは言っても今作は今作で一つの終わりを迎えるんでしょ?と思われるかもしれないが、そんなこともない。
それっぽい伏線も半分以上は回収されない。最後に集大成感はあるものの、シナリオ的に綺麗な終わり方ではないことにご留意いただきたい。
その為、ストーリーに関してはまだ評価項目に入れていない。最低でも空の軌跡シリーズを遊び終えてから判断したいと思う。
実際のところ、私自身次回作の内容が気になりまくっている。
途中から結構シナリオが社会派っぽくなっており、何より最後に結構衝撃的な展開があったので、ここから更に面白くなるのではないかと個人的には期待している。

漫画のように次回作に続くということ自体が正直驚きなのだが、ファンの方はついて行けているのだろうか。
戦闘難易度について
正直かなり難しいと感じた。
今作の戦闘はコマンドとアクションが融合した様なシステムになっている。
ここで言う"難しさ"とは、緻密なアクション操作が必要という意味ではなく、コマンド戦闘の難易度の話だ。
今回難易度ノーマル(5段階中の真ん中)で遊んだのだが、ボス戦はおろか雑魚敵でも何度かやり直しを喰らっている。

伝統的なRPGあるあるだが、ボス戦前はきちんと対策を立てないと一方的にやられてしまう。

正直ある一定の理不尽さもあるが、リスク無しの難易度選択がいつでも可能なので適宜変更しつつ楽しんで欲しい。

Switch2 editionについて
今回私はSwitchのパッケージ版を購入し、それをSwitch2版にアップグレードする形で遊んだ。
体験版がSwitch版のみだったので分かるのだが、やはり解像度やフレームレートの面が結構違う。


この画像では分かりにくいかと思うが、実機を比較するとかなり違う。
また機会があれば詳しく話そうと思うのだが、私は大のキーカードアンチである。現状Switch2版がキーカードならSwitch版若しくはPC版を購入している。
というのも、現状のキーカードはパッケージとDL版の悪い所取りになっているからだ。
例えばDL版は初日から遊べたり、買いに行く必要がないのがメリットであり、(Switchの)パッケージ版は容量を圧迫しないのがメリットだ。
しかしキーカードというシステムは、その両者のメリットを完全に潰している。
必要な容量が多かったり、ゲームカードだとロードが長くなってしまうタイトルは仕方ないが、そうでないタイトルは多少高くても良いからゲームカードを出して欲しい。
特に数Gしか容量がないのにキーカードにしているタイトルは理解に苦しむ。早急に是正しないと、マルチタイトルのSwitch2版比率が下落してしまうのではないか。
今回のようにSwitch版から有料でアップグレード出来るなら構わない。
全サードパーティはこの方法を採用しろ!とまで思ってしまった。
しかも今回のアップグレードパスは150円と非常に安価であるのも素晴らしいポイントだ。
...かなり話が逸れてしまい恐縮だが、とにかくSwitch2での動作は何の支障もないということをお伝えさせていただく。
おわりに
昨年のロマサガ2に続き、お手本となるようなリメイクの形である。
気になった方はこの機会に是非長編シリーズの第一作に挑戦していただきたい。
そのプレイ時間の長さも、作り込みの深さの証と言いたい。
最後にもう一押し、このゲームの魅力を一言で伝えるなら"エモさ"だろう。作品全体にに感じる青春の甘酸っぱい空気感は中々他のゲームでは味わえない。

これから全てのシリーズを追いかけるかは流石に不明だが、少なくとも空の軌跡が終わるまでは見届けたい。次回のリメイクが楽しみだ。
最後までご覧いただきありがとうございました。

