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短篇集『奇雅集』


前書き

 この短編集に収録された全十七作の内、十本は既にnoteで発表済みの作品であり、残る七本が書き下ろしの新作となる。とはいえ、既出の作品にはかなり手を入れたため、「雨降る帰り道」などは元々に比べてトーンが一変し、その他の作品も相当の変化が加わっている。文字数にして十三万字。執筆期間はおよそ五年である。作品ジャンルは、大半が怪奇小説で、一部、幻想文学が含まれている。両者の区分については、後書きに記したので、ここでは述べない。個人的には、純文学作品に類される作品ばかりだと感じているが、「電話」や「不調」のように、文学性という観点からすれば、多少怪しい作品も無いではない。まあ、その辺りの判定は読み手に任せることにしよう。形式的な面にも触れておくと、全作品で異なる文体を使用しており、丁度、レーモン・クノー『文体練習』のような挑戦を試みている。多少、差異の分かりにくい作品こそあれ、全体に、まあまあ上手くいったのではないかと自負はしている。とはいえ、作者の自選、自己評価ほど当てにならないものもないことは、創作をしている人にとって周知の事柄であるから、成否については読者の評価を待つほかないが。

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