先生、わたしも好きだったかも。。。
今でも、高一の時の担任(男性)を思い出す。
先生はわたしが高一の時に結婚した。
クラスの皆で結婚祝いを送ったことを今でも覚えている。
わたしは女子高だった。
先生は当時27歳。
15・16の娘からしたらおじさんだったけど、少しばかり杉山清貴さんに似た先生は結構、人気があった。
わたしは訳あって、一貫校を辞めてきたので、その事情を知っていた先生はわたしを何かと気にかけてくれていた。
よく言われたのは、「頑張れよ」だった。
先生はわたしからやる気を引き出したかったのだと思う。
クラスにちょっと美人なつっぱった感じの生徒がいた。
彼女は成績はそんなに良い方ではなかった。
しかし、そんな彼女が先生に恋をした。
彼女は先生の科目だけ猛勉強をしたのだろう。
高得点で注目を浴びた。
とがった視線を送っていた彼女の目は、いつのまにか優しくなって、うっすらと女の顔をしていたのが今でも忘れられない。
わたしはきっと、そんな彼女に少しばかり嫉妬をしていたのかもしれない。
先生から褒められたからなのか、一足早く女の顔になっていった彼女が羨ましかったのか、今となってはわからないけれど、人生を半分は生きてしまった今でも、先生と彼女のことを思い出すと甘酸っぱい記憶としてよみがえるのだ。
2年生になった。
先生は持ち上がりで担任だった。
わたしは嬉しかった。
ある日、わたしは電車に定期を忘れてきた。
幸運にも職員室に届いていた。
先生に呼び出された。
「まったく、〇〇〇(わたしの名前)は、しっかりしてそうなのに、おっちょこちょいだな」
先生はわたしのことを知っている、理解してくれている、そんな気になってしまって、なんだか叱られたのにウキウキして帰ってきたことを覚えている。
先生、わたし、先生のこと、好きだったのかもしれない。
陸上部だったわたしは体育祭で、クラス対抗リレーのアンカーを務めた。
運動部の子が多かったのか、わたしのクラスは1位と2位の接戦でバトンをわたしに持ってきた。
わたしは走った。
走って走って、先生に見せつけるように走った。
1位を走るわたしに、声援が飛ぶ。
クラスの皆がわたしの名前を呼ぶ声が聴こえる。
だけど、わたしには先生の声だけが鮮明に聴こえてきた。
「〇〇〇(わたしの名前)ーーー、行けーーー、行けーーー!!!」
と、何回もわたしの名前を呼んで、手をぐるぐる回して絶叫してる先生が、わたしにはしっかりと見えた。
全力で走ってるのにだ。
先生、わたし、先生のこと、好きだったのかもしれない。
3年生になった。
先生は担任から外れた。
先生は隣の隣のクラスの担任になった。
2年間も一緒だったのに、先生がわたし達の担任じゃない。
そんな空気がクラスメイトの中に走った。
わたしはなんだか涙が出そうになった。
先生、わたし、先生のこと、好きだったのかな?
3年生をどんな風にして過ごしていたのか、普通に過ごしていたけど、先生と一緒だった1年や2年の時のような、鮮明な記憶がないの。
先生、わたし、先生のこと、好きだったんだね。
さて、今日も生きるとしよう
