映画「ブルーボーイ事件」がたくさんの人に観てもらえますように。🎬
昨日、映画「ブルーボーイ事件」を観てきました。
1960年代に性別適合手術が違法か合法かを裁判で争った事件から着想を得た物語で、メインキャストはオーデションで選ばれたトランスジェンダーの女性の方々が務めています。群馬県でロケをしたというこの映画は、その時代の街や暮らしの様子が忠実に再現されていて、私も幼い頃の大人達を目の前にしているような錯覚に陥りました。
とても見応えがありました。
トランスジェンダーの方々の表情や仕草の細やかさから目が離せませんでした。喜び、悲しみ、温かさが、滲み出ていて胸に迫りました。
特に、主人公のサチさんは、映画に出るのが初めてという中川未悠さんが演じていますが、素晴らしかったです。とても優しい穏やかな雰囲気と、悲しみや悔しさで打ちひしがれる儚さと、切実に幸せを求める強さが、絶妙に表現されていて、釘付けになりました。
弁護士を錦戸亮さんが演じています。当時の服装も身のこなしや話し方もとてもよく似合っていて、子供の頃見ていた1960年代の働く男の人の姿そのものでした。この狩野弁護士は、サキさんのような女性の存在や苦しみを目の前にして、悩みながら、新たな気づきを得て、多くのことを調べて学んで考えて、裁判に臨んでいきます。その過程の苦悩や憤り、ひたむきさが、豊かな表情から、ひしひしと伝わります。
1964年生まれの私は、この裁判のことは全く知りませんでした。そして、1990年代の終わり頃に、性同一性障害について知って、初めてそういうことなのかと思ったのです。
でも、実際には、サチさんのような方達が存在することは、小さな子供の頃から知っていました。
そして、安井順平さん演じる検事が裁判で放つ、とても失礼で、侮辱的な言葉も、実は、聞き覚えがありました。そんな感じのことを言う大人達は、たくさんいたのです。
サチさんの恋人のお母さんを梅沢昌代さんが演じていますが、当時の高齢の女性の佇まいを見事に表していて、懐かしさと驚きさえ感じました。
戦争を体験した中での苦労や後悔、だからこそ平和な世の中になって息子を思うあまりの行動も、話す言葉も、当時の私が幼すぎてわからなかったことが、ああこういうことだったのだと理解出来ました。
そして、私自身は、子供の頃からずっと、ずっと、サチさんのような方々の存在を知っていながら、心の中や、願っていることについて、考えたことも、想像したこともありませんでした。
こうしたことは、その時代の人々が全て悪いわけでは決してなく、その時代の流れの中では、そんなふうでなくてはいられなかったのかもしれません。
酷い言葉を発した検事が、いずれ歴史が‥‥というようなことを言っていたのが印象に残りました。
あの時代から、色んなことがあって歴史が移り変わりました。それで、人がその人の幸せを、その人らしく見つけて大切にして生きられるように、少しずつ変わってきているのだったら良い、と思いました。でも、それはまだまだもっとそうならなくてはならない。何をしてもどう動いても、決して幸せになれない人が、存在してはいけないのです。
人の心の中を覗くことは出来なくても、誰もがみんな自分が幸せになることを一番に考えて、生きていけることが大事なんだ、それよりも大事なことなんてないんだと、わかって、そのために動けることが大切なんだと、映画を見終わって、感じました。
そういうことが、無駄なく、真っ直ぐ、伝わり、すとんと腑に落ちた映画でした。
今日も、明日も、歴史を作っていくのは、私達で、私がしたことの一つ一つも、歴史を作る何かしらの役を担っていきます。
誰に対してもあなたが幸せなのが一番なんだよと思えること、だから自分も幸せでいようと思えること、それよりも大切なことなんてないのだと肝に銘じて、生きていきたいものです。
だから、私は、たくさんの人に、「ブルーボーイ事件」を観てもらいたいと思います。💐
