いい音は自分で選び取るもの
今回は新聞記事から引用する。
私が真空管アンプに興味を持ったのは、ある自動車のディーラーの店長と親しくなり、バロック音楽の話をしていたときに「2A3を聴きなさい」と店長から言われた(勧められた)ことに始まる。
大分時間が経っていたが2A3という暗号のような言葉は覚えていて、ある冬の寒い日(大分昔だ)に万世橋そばの(株)ヒノオーディオで2A3シングルの真空管付きのキットを買ったのだ。
そのキットは初段とドライバー段に6SN7GTを使い、出力段に中国製の2枚プレートの2A3を使う、ヒーターを交流点火する無帰還アンプだ。
そのアンプは無改造で製作して無事動作して時々鳴らしてはいたが、市販の半導体プリメインアンプの中級機を超えることがない実力(音楽の表現能力が低い)で、かの店長が勧めてくれたのにも関わらず私の中ではずっと(2A3は)不完全燃焼であった。
その後ぺるけさんの設計になる6N6Pシングルを無改造で製作(わたしにとって2台目の真空管アンプだ)する機会が訪れ、その音の良さに驚いた。聴いていて楽しくなるというのはこういうことか、と。
前記2A3シングルは音量(出力の大きさ)こそ優れるが(3.5W)、私を魅了することは無かった。しかしぺるけ式6N6Pシングルはたった0.6Wしか出せないのに私の考え方(認識)を完全に変えてしまった。
いい音は自分で選び取るものだったのである。
かくして私の「2A3問題」はひとまず解決したのであった。
(以下引用)
取材を終えて
ここ数年「やりたいこと」が見つからず悩んでいる。若い頃の夢をかなえ、次の目標が見つからない。もうすぐ社歴30年。「ミッドライフ・クライシス」(中年の危機)というやつだ。
そんなとき、アイエンガーさんの話にはっとした。自分はやりたいことが見つからないのではなく、「選ぶこと」に疲れてしまったのではないか、と。
若い時はめざすべき「正解」が与えられ、全力で突き進めばよかった。でも年を重ね、責任が増すと、「正解」も自分で定めなくてはならない。幾多ある選択肢の中から、最も近いと信じる道を選び取る。人生はその繰り返し。それに飽きたのだ。(玉川透)
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2025/10/23 朝日新聞
オピニオン&フォーラム GLOBE x インタビュー
選ぶということ
コロンビア大学ビジネススクール教授 シーナ・アイエンガーさん
(Sheena S. Iyengar)
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