Tales|短編小説|JK紬のセキュリティ相談室2|2章|ミステリーボックス|作品紹介|クイッシング
デジタルとアナログの隙間にある「白黒の迷宮」
ある朝、職員室が騒然となります。生徒の成績を管理する「学力推移システム」に対し、外部からの不正アクセスが検知されたのです。
学校側はフィッシング詐欺対策としてメールでのURL配布を廃止し、配布された紙のQRコードからのみログインさせるという厳格なルールを敷いていました。
「セキュリティは万全なはずなのに、なぜ?」
首を傾げる先生たちを前に、JK探偵・紬とトラブルメーカーの七香が動き出します。
父の助言により紬が辿り着いた真相は、QRコードそのものを物理的に偽装する「クイッシング」という手口。安全だと思いこんでいた「印刷物」に潜む罠と、人の心理の死角を描く、ちょっぴりビターなセキュリティ・ミステリー。
JK紬のセキュリティ相談室2 第2章ミステリーボックス

私はいつものように登校し、いつものように教室のドアを開けた。
ただ、いつもと違っていたのは、教室に誰もおらず、静まり返っていることだった。
今日、私は日直当番で、みんなより早く登校する日だった。
「さすがに、ちょっと早すぎたかな?」
私は、小さく独り言を言って、時計を見た。まだ授業開始まで30分以上ある。
いつもはパパの後に家を出るのだが、今日は朝ごはんは家で食べずに、パパと一緒に駅まで行ったのだった。
「さてと」
私はカバンから、今朝食べなかったタマゴサンドとパック牛乳を取り出した。
たまには誰もいない教室で朝ごはんってのも洒落てる。
ちょっと私ってクール?

そんなことを考えながら、窓から校庭を見ながらタマゴサンドを頬張ろうとした時だった。
「つ・む・ぎー!!」
「うわぁ!?」

私の幼馴染であり親友、そしてクラス一のトラブルメーカー、七香が、カーテンの影から飛び出してきた。
私は、突然のことにびっくりして、タマゴサンドを落としてしまった。
「ちょ、七香!何しているの!?こんなに朝早く!?」
「へへー、今日紬が日直で早いって聞いたから、私も早く来たんだ。一人じゃ寂しいかと思ってさ」
「いや、別に寂しくないし!というか、なんでカーテンの影に隠れてるのよ?」
「んー?なんとなく?まだ来てなかったから、ちょっとサプライズ的な?」

「サプライズすぎるでしょ!」
私は、落としたタマゴサンドを拾い集めていた。
「あはは、ごめんごめん。ほら、お詫びに紬の好きなマルジューのホイップあんぱん買ってきたら、半分こしよ?」
七香はそう言うと、あんぱんを器用に手で割り、大きい方を私に差し出してきた。

朝の光が、七香の茶色のボブを透かして、キラキラと光る。
まったく、こういうところが憎めないんだから。
本編はTALESにて
この平和な朝食の後、学校中がパニックになる……本編はTALESにてご覧ください。
1月12日より全10話、各話毎日21時公開予定です。
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