書評♨「温泉名人」になる法 (別府八湯温泉道) ⑤

温泉名人の湯あたり書評
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『 別府八湯 温泉本 』
わたくし、生まれも育ちも大阪です。病院で産湯を使い、姓は温泉、名は名人。人呼んでフーテンの寅ベラー「温泉名人」と発します。
皆様ともどもタコ焼き、お好み焼き、串カツの香り漂う浪花の片隅に、しがない仮の住まいを構え、
西の湯に行っちゃあノボセ、東の湯に行っちゃあフヤケ、気がつきゃ土地土地のお兄さん、お姉さんに世話になりっぱなしの、
どうにもこうにも湯気くさいオッチャンでござんす。
以後、見苦しき面体お見知りおかれまして、万端ひきたって、よろしくお頼み申します。

フーテンの寅ベラーこと
「温泉名人」のオッチャンです
ま、湯気ばっかり巻き上げてても仕方ござんせん。
今日はちょいと真面目に、別府八湯温泉道を極めんとする湯遍路さん必携の「伴侶本」を紹介いたしやしょう。

別府の街を歩くとき、掌にこの一冊を抱く者は、単なる観光客ではない。
『別府八湯 温泉本』とは、地図でも案内でもなく、湯の街そのものを体験へと導く「参加型」のガイドブックである。
紙の匂いと湯気の記憶をまとう「温泉本」は、湯守たちの想いや土地の呼吸を宿し、路地裏のジモ泉では、湯気に包まれた生活の音が息づき、老舗旅館の湯では、時の層が静かに溶けてゆき、湯遍路たちをまったりと温泉文化の源泉へと招き入れて行く。
まさに、この「温泉本」は「読む」ための本ではなく、湯に沈み、歩き、押されるスタンプの音に耳を澄ますためのガイドブックと言えよう。
温泉名人を目指す求道者にとって、「温泉本」は地図よりも確かな羅針盤であり、湯の真理を得んとする、厳しくも湯快な湯遍路の伴侶なのである。
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最新版(2025~26)は
永久保存版である
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年刊で発行される「温泉本」であるが、発刊より25年もたつと、いささか「ぬる湯」感が、なきにしもあらずであった。
ところがである。なんという事でしょう!
最新号(2025年11月刊)に至って、ふたたび源泉かけ流しの「あつ湯」が復活したのだ。
なにがと言って、今号限定企画の「10種の泉質を制覇!泉質巡礼道」の内容が実に素晴らしい。
10種類に分類される温泉の泉質。
そのうちの7種類が別府八湯に存在しており、 泉質の豊富さも別府の温泉のスゴさの一つ。
せっかく別府八湯で7種類を巡ったのなら、 残りの3泉質も巡ってコンプリートしたくなりませんか?
大分県竹田市、佐賀県佐賀市、宮崎県新富町まで足を伸ばしてさあ、10種類の泉質を制覇しましょう!
これまで別府八湯ごとに地域分類して紹介していた温泉たちを、泉質の現行10分類の「温泉学」に則って仕分けして提示して見せたのだ。
♨単純温泉
♨塩化物泉
♨炭酸水素塩泉
♨硫黄泉
♨酸性泉
♨含鉄泉
♨硫酸塩泉
しかも、10泉質のうち3泉質が無い事を素直に吐露するところが誠に潔い。
♨二酸化炭素泉
♨放射能泉
♨含よう素泉
「泉質巡礼道」は、とりあえず別府八湯で7泉質を制覇せねばならないので、それぞれの泉質ごとに実名の温泉名人と謎の温仙人(編集部?)が、推し湯を紹介しており、残りの「無念の3泉質」を、「九州温泉道」から補完して巡礼するというコラボ企画となっている。

それにしても誰が選定したのか定かでないが、「無念の3泉質」の巡礼先はきっちりと指定されている。
以下に、推し湯3ヶ所の紹介文を本文より引用しよう。
♨️二酸化炭素泉
しゅわしゅわと身体中を包む銀色の泡の正体は、温泉に含まれる高濃度の炭酸ガス(二酸化炭素)。この炭酸ガスの作用により、血流増大や新陳代謝などの効果が期待できる。32度とぬるめの露天風呂で全身を銀色の泡に包まれ、42度のにごり湯の内湯でのんびり・・・。温度の違う交代浴を楽しめるのも特徴だ。
(大分県長湯温泉)
これはもう、一択であろう。超有名である。

♨️放射能泉
朝から地元の人達でにぎわう共同浴場。ラドン含有量が高く、長い時間をかけてゆっくりと浸かる少しぬるめのお湯がクセになる。肌にまとわりつく感じが何ともいえず、湯上がりはツルツルの肌に。柔らかな日差し、川のせせらぎ、 時折聞こえる鳥のさえずり・・・。熊の川の自然豊かな風景を湯船から望むことができるのも魅力。
(佐賀県熊の川温泉)
ちょっと待った!
「九州温泉道」の放射能泉は、他にもありますよ。
同じく熊の川温泉エリアの施設で、静かな環境でじっくりと放射能泉を楽しめる熊の川温泉「湯泉郷 温泉館 湯招花」
また、家族風呂を中心とした施設で、放射能泉を貸切で楽しむことができる、鳥栖温泉「家族風呂温泉 山ぼうし」
それぞれ静かな環境や貸切という魅力があるのになぜ「元湯 熊ノ川浴場」なのかと問われれば、答えはおそらくこうだろう。
朝から地元の人間が湯を占領している、あのジモ泉の庶民くさい賑わいこそが、温泉道の精神に最も近いということやないやろか、とオッチャンはそない思います。
♨️含よう素泉
九州では珍しい、ラジウム等さまざまな成分を含んだ温泉。老化や生活習慣病の予防にも効果が期待でき、からだの芯まで温めてくれる。遠赤外線サウナや水風呂もあり、露天風呂では外気浴も楽しめる。新富町には航空自衛隊新田原基地があり、飛行訓練の音を聞きながらの入浴は新富町ならでは。
「サン・ルピナス」
(宮崎県新富温泉)
おっと、ちょっと見落してしまいがちだが、「サン・ルピナス」の泉質表記は、 温泉本企画・編集委員会の見解を含めて表記しています、という小さな注記があります。
ここは大事なところなので、ちゃんと「見解」を説明してもらわないと困りますね。
なぜなら、「九州温泉道」において当該温泉は「塩化物泉」と分類されているからです。
しかしながら、当該温泉の公式案内には「含よう素-ナトリウム・カルシウムー塩化物温泉(高張性・中性・高温泉)」とあり、含よう素泉として扱っています!
その辺を「温泉本」は忖度し、「含よう素泉」として判断したんやないか、とオッチャンはそない思います。

そもそも「含よう素泉」は希少ですから、「九州温泉道」は、もっときちんと評価をすべきでした。
それに比べ、「塩化物泉」をオンリー湯の「含よう素泉」として推し湯をした「温泉本」の見解は、本当に見事です。

泉質ごとに推し湯を選び、無い泉質は素直に認め、他県まで巡礼先を広げて見せる、この一連の企画「泉質巡礼道」こそが、「温泉本」最新版(2025~26)を、これまでの「るるぶ的ガイドブック」から「温泉学入門書」へと昇華させた真の理由であります。
これは買っておくに損は無い、「永久保存版」と言っても良いでしょう。

公式ガイドブック
価格
660円(税込)
大きさ
A5変形 104p
発売元
おおいたインフォメーションハウス
販売場所
大分県下の書店・コンビニ
別府市観光協会・ネット
掲載施設数
146施設
発行サイクル
年1回
(例:2025-2026年版は2025年11月25日発売)
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ところで、本家の四国巡礼八十八ヶ所には、それとは別に「別格霊場」というものが存在しています。
八十八ヶ所にモレはしたが、霊験あらたかな寺をまとめて「別格二十霊場」とし、八十八ヶ所と合わせ巡ることで煩悩を消し去る「除災招福」の旅になるとしました。
ひるがえって、「別府八湯温泉道」にも「別格」があっても良いではありませんか。
そう、「泉質道」であります。せっかくの好企画を1回だけのものとせず、是非とも「別格」として継続をしていただきたい。
そして、「別格泉質道」を極めた湯遍路たちには、「別府八湯温泉道」の「特待生」の肩書きを与えていただきたい。
このことは別府八湯が、日本温泉文化の継承に大きく貢献する事に他ならないでしょう。
そして別府八湯は単なる観光地を超え、日本温泉文化の中核として輝き続けるに違いありません。
♪最後にひとつ、湯に憑かれた者の鼻唄をお聞き下さい。

『ラブ湯~別府』♫
(feat.ラブユー東京)
別府温泉に
魅かれてしまったの
湯けむりが漂う
わたしのタオル
泉質だけが生き甲斐なの 八湯をめぐる
ラブ湯~
ラブ湯~
湯の町別府
別府温泉で
のぼせてしまったの
湯の華が漂う
わたしのタオル
ジモ泉だけが
生き甲斐なの
脱衣場一体
ラブ湯~
ラブ湯~
湯の町別府
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寸志
有り難く頂戴いたします
ほんま、おおきに