令和マンガ探訪~『非視界戦闘 アイアンレッキ』
曽田正人が放つ、天才ラリードライバー!!
サーキットの外で最速を競う過酷なモータースポーツ「ラリー」。
そこに現れた一人の天才ドライバー、能年コータロー。
世界が「コー」の走りに震撼する。
『シャカリキ!』『め組の大吾』『昴』『capeta』の曽田正人が、
クルマ漫画の頂点を更新する!
「あの日見た運転に近づくためなら何でもする」
誰よりも速く。
何よりも眩しく。
曽田正人が放つ本格ラリー漫画!
『capeta』でモータースポーツコミックに新風を吹き込んだ曽田正人の新作。
某峠走り屋マンガは主人公が峠で豆腐を運ぶために運転を極めたという設定でしたが、本作は救急隊員が「1秒でも早く病院に到着するために運転を極めた」といういかにも『め組の大吾』の曽田正人らしい設定。
本の帯に”クルマ漫画の頂点を更新する!”という挑戦的な煽り文句が躍る。
なるほど、マシンの疾走感は緻密な描き込みとデジタルエフェクトによって、いちだんと上がったと思える。
『め組の大吾』『昴』ではそのイかれた才能が世間との軋轢を生じさせてたけど、本作ではその腕で多くの命が救われる。
それを丸ごと狂気の走りに活かさんと、彼に出会った人間の方から積極的に正道から足を踏み外していくんだから、今後の展開がどうなる?
想像するだけで心が奮い立つ。
フォーミュラの世界を描いた『capeta』と読み比べると余計に面白い。
競技ではなく、「戦闘」と銘打ったタイトルが熱くて仕方ない。
旧態依然とした非合法の走り屋マンガではない、新しいレベルのモタスポコミックの広がりがそこにはある。
2026年WRC(世界ラリー選手権)ではトヨタが独走し、日本人ドライバー勝田貴元が遂に優勝しましたが、その今だからこそ描かなければいけないマンガかもしれません。
人には人生に於いて「成長期~円熟期」が実はある。
特に20~30代でヒット作を生み出す作家は多いが、40~50代に入ると嘗てのようなヒット作を生み出すことが至難の業となる。
何故か?
仕事に於いて、黄金の10年(35歳から45歳)という概念がある。
30代は若さと勢いに一寸した学びと経験が加わる。
40代は若さの代わりに先を読み、蓄積した経験則で若さをカバーできる。
自分のセンスや書きたい作品と成功体験(ヒット作)と、移り変わる時代(読者の求める)とのズレ。
曽田正人は「シャカリキ!」で注目を集め、ロードバイク人口を増やし、「め組の大吾」で消防士応募者を、「capeta」でカートの間口を広げた。
しかしその後はチャレンジングな作品を生み出したが、早期連載終了の連続。
「め組の大吾」続編「め組の大吾 救国のオレンジ」は既刊12巻で連載終了。
残るは「capeta」で証明した「モータースポーツ」を題材とした最期の切り札を出したことになる。
果たして「円熟(capeta)」の上にさらなる可能性を見いだせられるか?
