ありがとう、バイト代。
これは、私が大学1年生のときのお話。
エッセイ風に挑戦してみた。
1. バイト、はじめました。

大学生になって、自由な時間が多く手に入った。
講義は午後からの日もあるし、誰かに許可を取る必要もない。
そんな「自分で選べる時間」の使い方として、まず私が選んだのがアルバイトだった。
理由はシンプル。
お金が欲しかったから。
電車に乗って、カフェで友達としゃべって、服を買って。
それくらいのことを、誰にも遠慮せずにやりたかった。
履歴書の書き方も、面接で何を話すかも、よくわからないまま応募した。
スマホで「近く バイト 未経験 OK」と調べて、見つけたのが○亀製麺だった。
めっちゃ近かった。
あんま言いすぎると住所バレみたいになるの怖いので言いませんが。
「やっと大学生らしくなってきたかも」
そんなふわっとした期待と、ちょっとだけの不安を胸に、私はアルバイト生活を始めました。
2. ○亀製麺での挑戦。

初バイト先に選んだのは〇亀製麺。
初出勤の日、私は緊張しすぎて30分前に店に着いたのを覚えてる。
エプロン姿の先輩たちはみんなテキパキ動いていて、まるで別世界だった。
私はというと、笑顔すらぎこちない。
「いらっしゃいませ」がうまく言えなかった。
はじめは、机ふきから。
徐々に、うどんに触らせてもらえるように。
「手際よく」が求められる世界で、私はずっと追いかけるばかりだった。
「もうちょっと声出してね」
「その順番、逆だよ」
先輩方の言葉はやさしいけど、胸にちくっと刺さったときもあった。
それでも、毎回のシフトでできることが少しずつ増えていくのはうれしかった。
3. はじめての給料日。

その日、スマホに振り込まれた金額を見た。
嬉しかった。
4万くらいだったと思う。
「これが、自分で働いて得たお金か…‼︎」
1円1円が、汗と緊張の記憶に結びついていた。
お客さんからの怒号。
廃棄になってしまったうどんたち。
先輩方に怒られた日々。
(マイナスばっかりじゃねえか)
それらがすべて詰まった数字が、画面の中に光っていた。
このお金は、ただのお金じゃない。
誰かにもらったお小遣いでも、祝い金でもない。
自分の力で「もらった」のではなく、「稼いだ」お金だった。
なんだか、少しだけ大人になった気がした。
4. ちょっとだけ、贅沢してみた。

Bluetoothのイヤホンを買った。
「着たい!」と思った服を買った。
夜は外食に行くことが増えた。
今までなら「これ、ちょっと高いな」と諦めていたものが、
「自分で働いたお金だから」
と思うと、背中を押してくれた。
贅沢って、金額じゃない。
「好きなものを、自分で選べる」ことが、こんなにうれしいなんて。
ちょっとだけの贅沢が、私の日常をすこし色づけてくれた。
5. 気づいたら、残高ゼロ。

そして気づく。口座の残高、4桁。
「あれ? なんで?」
日々の買い物のレシートを漁る。
そのひとつひとつは、確かに小さなご褒美だった。
でも、それが重なると、想像以上に大きな出費になっていた。
「使うときの喜び」と「残高を見るときの焦り」は、いつだってセットなんだ。
結局、次の給料日まで財布のひもはギチギチ。
もらった瞬間のあの輝きは、いつの間にかどこかへ消えていた。
6. 「経験になるよ」って言うけれど。

「若いうちは貯金なんかしないで、経験に使いなよ!」
誰かが言っていた。
多分、大学の先輩だったと思う。
確かにそうかもしれない。
働くことの大変さも、
そしてお金を使う楽しさも、
なくなるときの儚さも。
どれも、教科書には載っていなかった。
でも、経験だけじゃ食べていけない。
経験しただけで、何も学ばなければ、それはただの「無駄遣い」だ。
私がこの失敗から何かを掴めるかどうか。
それも、たぶん“経験のうち”なんだろう。
(この時はまだ、純粋です。ギャンブルの経験はこれからです。うひょ。)
7. ご利用は計画的に。

次の給料が入ったとき、
私はまず「使わない金額」を決めた。
毎月の出費の上限も決めて、ノートに記録をつけるようにしてた。
たったそれだけで、ちょっと心が軽くなった。
「お金に追われる」のではなく、「お金を管理する」感覚。
人生ではじめて、お金に対して“主導権”を持てたような気がした。
使って、失って、焦って、学んだ。
この繰り返しが、少しずつ自分を育ててくれる。
その後の大失敗だって、そう思えるようになった。
「はじめてのお金」は私にとって
“自分と向き合うきっかけ”
だったのかもしれない。
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