何が羨ましくて妬ましいのかという話
私は若い時から片頭痛の影響もあって、体力がなかった。
大学の卒業旅行で、友人とヨーロッパ周遊20日間のツアーに参加したが、度々襲う片頭痛、下痢、疲れすぎなどで、なかなか日程通りに動くことができず、ホテルで寝ていたり、バスで休んでいたりした。周囲の若者たちは夜中まで飲んだり食べたりを楽しんでいたが、それもまったく無理で、毎日早く寝て、なんとかついていく状態だった。
就職して仕事を始めたが、度々ひどい頭痛に襲われて出勤できなかったり、会社の保健室で寝ていたりした。
バブル期だったので、日にちをまたいで遊んでいる同期たちの真似をするのだが、すぐに体調を崩す。
土日にはテニスやスキー、旅行、キャンプなどをフルに楽しんで、また月曜から金曜日まで働ける、夜中まで飲みにいける、そんな仲間たちがうらやましくて仕方がなかった。
でも、まあそんな自分を受け入れていくしかなかった。
子育て期もなんども不調で悲しい思いをした。
すぐに頭が割れそうになり、吐き戻して寝ているしかない中、誰にも頼れず這いつくばりながら夫の帰りを待った。
片頭痛に効く良い薬がでてきたものの、それを飲む回数はどんどん増えた。
それでも飲みながら頑張る毎日だった。
出先で酷くなると、ひとりでトイレに篭って1時間吐き戻すなんて言う経験は数えきれないほどある。
更年期が過ぎたら良くなる人が多いと、医者にも言われ信じ続けてきたが、60になった今、もはや頭が痛くない日はなくて、始終痺れている状態になり、大音量での耳鳴りも途切れることがなくなった。
身体は、筋肉は、まだまだ動けるという。
気持ちももっとチャレンジしたいと言う。
でも脳の疲労がそれを許してくれない。
2日続けて動いたら、1日は休まないと持たないような、そんな身体、いや、脳。
みんなで旅行をする時は前後2日間を空けておいて、頭痛薬に浸って行程をこなす。
どうしてもみんなと同じように動きたいと心が叫ぶから。
なんで自分だけこうなんだ、悔しい!と心が嘆くから。
それでもなんとか普通にみえるように振る舞っている私は、長い長い戦いに疲労困憊している。
もう笑えないと泣いている。
そして普通の体力、健康を持つ人を妬んでもいる。
この妬みの感情は、どの感情よりも強く、わたしを追い込んでくる。
今日も歯軋り、食いしばりが止まらない。
こんな気持ちをずっと持ち続けて生きていくのかと思うと情けなくてつらい。
