「お」の5周目 2026/06/27

「お」と言うことで「おじさん」の話題を。
主に中年の男性に親しみを込めて、あるいは年齢的に大人であることを示すために用いる言葉です。

17世紀初頭にスペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスによって書かれた
「ドン・キホーテ」は世界で最も売れた書籍・小説の一つとして知られています。
おじさん(設定:40代後半〜50歳)を主人公にした不朽の名作であり、その発行部数は推定5億部以上あるようです。
2002年。ノルウェーのブッククラブが企画した「史上最高の文学百選」で、世界54カ国の著名な作家100人の投票によって、ドン・キホーテは堂々の1位に輝いています。

あらすじは騎士道物語の読み過ぎで、現実と物語の区別がつかなくなったアロンソ・キハーノを中心に進んでいきます。
アロンソはドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャと名乗って、従者の現実的で素朴なサンチョ・パンサと一緒に冒険の旅に出かけます。
長い冒険の末に、ある決闘で負けたドン・キホーテは、ついに空想からさめて、自分が騎士ではないことに気づいてしまいました。
そしてアロンソとして生涯を閉じるのです。

セルバンテスの魂は、まるでドン・キホーテそのものでした。
若き日に戦場へ赴き、レパントの海戦で左腕の自由を失います。
帰国の途上で海賊に囚われ、異国の地で長い捕虜生活を送りました。
ようやく解放され祖国へ戻ってはみたものの、役人としても事業家としても成功できず、借金や投獄に苦しみます。

普通なら夢を捨て、世の不条理を恨んでもおかしくない状況でしたが、セルバンテスは歩みを止めませんでした。
その姿は、風車を巨人と思い込みながらも槍を構えて突撃するドン・キホーテと重なるところがあります。
周囲から見れば愚かで滑稽な挑戦だったかもしれませんが、結果よりも、自らを信じて理想に従って生きることを選んだのです。

ドン・キホーテは何度も倒れ、何度も笑われます。
しかし、それでも再び立ち上がるのです。
その姿に読者が心を動かされるのは、誰もが人生のどこかで
「もう無理だ」と思いながら、それでも前へ進もうとした経験を持っているからでしょう。

セルバンテスは58歳という人生の晩年に、ようやく世界的名作を生み出した苦労人でした。
彼は人生を通じて「生命のあるかぎり、希望はあるものだ」と語り続けていたようです。
苦虫を噛もうが、泥を啜ろうが、新たに立ち上がれる気概があれば幸運は巡ってくるものです。



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