【夫婦の時間】 #6いつの間にか「お父さん・お母さん」になっていませんか?
夫婦のことについて、相談をいただくことが時々あります。
最近、ある方からこんな相談を受けました。
「夫が私のことを、妻というより、お母さんのように見ている気がするんです」
話を聞いてみると、お子さんはまだ小学生。
これからも長く夫婦として一緒に生きていく中で、このままでいいのだろうかと不安を感じているとのことでした。
ご主人から「妻」として、そして一人の女性として見られている感覚が少しずつ薄くなっている。
このままいけば、夫婦のスキンシップも減り、性的な関わりもなくなり、いつか夫婦としての関係そのものがなくなってしまうのではないか。
そんな不安を話してくださいました。
この相談を聞きながら、私は改めて、
夫婦には、いくつかの大きな節目があるのではないか
と考えました。
恋人から夫婦へ。そして父と母へ。
私たち夫婦にも、現在25歳社会人の長男、大学三年生の次男、大学二年生の長女、と3人の子どもがいます。
振り返ってみると、夫婦の関係はずっと同じではありません。
まず、恋人として過ごす交際期間があります。
結婚すると「夫」と「妻」になります。
そして子どもが生まれると、そこに新しく「お父さん」と「お母さん」という役割が加わります。
子どもが小さい頃は、どうしても生活の中心は子どもになります。
食事を作る。
洗濯をする。
保育園や学校の準備をする。
子どもの体調を気にする。
予定を管理する。
家族みんなが困らないように先回りして考える。
そんな毎日の中で、いつの間にか妻が夫のことまで世話をするようになり、夫もそれを当たり前のように受け取るようになる。
妻は家族全体の「お母さん」のような存在になっていく。
そんなことは、意外と多くの家庭で起きているのかもしれません。
もちろん、夫婦の形は家庭によって違います。
夫が家事や育児を中心に担う家庭もありますし、役割分担もさまざまです。
問題なのは、誰が何をするかではありません。
二人の関係が、いつの間にか「夫と妻」ではなく、「世話をする人と、世話をしてもらう人」になってしまうこと。
私は、そこが大きなポイントなのではないかと思います。
「私はあなたのお母さんじゃない」
子育てをしている間は、それでも毎日が回っていきます。
子どもの学校、習い事、進学、仕事、家事。
やることがたくさんあるからです。
でも、子どもはいつか大きくなります。
そして、いつか親元を離れていきます。
そのとき、家に残るのは誰でしょう。
夫と妻です。
「お父さん」と「お母さん」になる前に、一緒に生きていこうと決めた二人に戻ります。
ところが、そのとき初めて、
「私たち、夫婦としてどうやって過ごしていたんだろう」
となってしまうことがあるのではないでしょうか。
長い年月の中で、妻は夫の世話をする人になり、夫は妻に世話をしてもらうことが当たり前になっていたとしたら。
妻の中に、
「私はあなたのお母さんじゃない」
という気持ちが生まれても、不思議ではないと思います。
父と母になっても、夫と妻であることは変わらない
子どもが生まれれば、父親と母親になる。
それは当然のことです。
でも、
父親になったから夫ではなくなるわけではありません。
母親になったから妻ではなくなるわけでもありません。
ここは、とても大切なことだと思います。
子どもの前では「パパ」「ママ」でも、二人きりになれば一人の男性と一人の女性でもある。
夫婦として話をする。
二人で出かける。
お互いの仕事や考えていることに興味を持つ。
「ありがとう」と言う。
触れ合う。
時には手をつないだり、くっついたりする。
そして、性的な関わりについても、夫婦がお互いに大切だと思うのであれば、話せる関係でいたい。
スキンシップや性生活のあり方は夫婦によって違います。
回数や形に「普通」や「正解」があるわけではありません。
ただ、どちらか一方が寂しさや不安を抱えているのに、それを話せない関係になってしまうことは、私は少し寂しいことだと思います。
「お父さんとお母さん」として頑張った時間も、夫婦の大切な歴史
ここまで書くと、「お父さん」「お母さん」になりすぎることが良くないことのように聞こえるかもしれません。
でも私は、決してそうは思っていません。
実は私たち夫婦にも、子育てをしていた時期に、夫婦としての心の距離が大きく離れてしまった期間がありました。
妻として、夫として、お互いに十分ではなかったこともあったと思います。
それでも、その時期の私たちには、ずっとブレなかったものが一つありました。
「この子たちを、しっかり育てていく」
という共通の目標です。
夫婦として心が離れていた時期にも、子どもたちを大切に思う気持ち、親としてできることをするという部分では、同じ方向を向いていました。
そして今、子どもたちが成長し、少しずつ「お父さんとお母さん」から、もう一度「夫と妻」に戻る時期を迎えてみて、私はこのことの大きさに気づきました。
私たちは夫婦として不足していた時期があったかもしれない。
それでも、
「子どもたちを大切に育ててきた」
という大切な役割を一緒に担ってきました。
大変だったことも、悩んだことも、嬉しかったこともある。
それを二人とも知っています。
「一緒に育ててきたね」
そんな感覚を共有できることが、私たちがもう一度夫婦として向き合えた理由の一つなのではないかと、今になって思います。
そして今は、以前よりもずっと仲良く過ごせています。
だから私は、「父と母」になることそのものが夫婦を遠ざけるのではないと思っています。
むしろ、子育てという大きな目標に向かって二人で力を合わせた時間は、いつか夫婦に戻るときの大切な土台にもなり得るのではないでしょうか。
大切なのは、家庭の中で二人が同じ方向を向いていること。
子どもをどんなふうに育てたいのか。
どんな家庭にしたいのか。
何を大切にして生きていきたいのか。
そんな**「家族としての共通の目標や理念」**を夫婦で共有していることは、長い結婚生活の中で大きな意味を持つのだと思います。
夫婦でいることを、後回しにしすぎない
子育て中は、本当に忙しいです。
「夫婦の時間なんて取れない」
そんな時期もあると思います。
だから、毎週デートをしなければいけないとか、いつまでも恋人同士のようにいなければいけないとか、私はそういうことではないと思っています。
ほんの少しでいい。
子どもの話ではなく、二人の話をする。
「今日どうだった?」と相手自身に興味を持つ。
相手に何かをしてもらったら、当たり前にしない。
世話を焼きすぎない。
自分でできることは自分でする。
たまには「お父さん」「お母さん」ではなく、夫と妻として向き合ってみる。
そんな小さな積み重ねが、子どもが巣立った後の二人につながっていくのではないでしょうか。
子育ては、いつか一区切りを迎えます。
でも夫婦は、その先も続いていきます。
だからこそ私は、
「父と母」である時間の中にも、「夫と妻」である時間を少し残しておくこと
が、とても大切なのではないかと思います。
夫婦になり、家族になり、父と母になった。
それでも、お互いが一人の男性であり、一人の女性であり、そして人生を一緒に歩いていくパートナーであること。
忙しい毎日の中で忘れそうになるからこそ、ときどき思い出したいですね。
今日の問いかけ🌿
あなたはパートナーのことを、「お父さん」「お母さん」という役割だけで見ていませんか?
そしてもう一つ。
二人きりになったとき、今でも「夫と妻」でいられていますか?
よかったら、皆さんの夫婦ではどんな工夫をしているのか、コメントで教えてください😊
一緒に考えていけたら嬉しいです。
