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“よかった”なんて言えないけれど、誰かの為になれるなら、やっぱり”よかった”

子どものお迎えに行ったとき、長男の同級生のママに話しかけられた。

「誰にも言ってないんだけどさ…」と、少し声を落として。

2番目のお子さんの病気のことを打ち明けてくれた。
手術のこと、再発の可能性、通院の大変さ、そして
——大人になるにつれて増していく不安のこと。

そのママは、我が家の次男の闘病を知っている。
だから「子どもの闘病を経験した人」に話したくなったのだと思う。
ほんの少しだけでも、心の整理をしたかったのだろう。

…わかるな、と思った。
頭がいっぱいいっぱいで、心の置き場がわからなくて、
誰かにただ聞いてほしいときって、あるものだ。

私も、そうだったから。

子どもの病気を経験して、子どもの命を助けていただいたことへの恩返しをしたい——
それが、今の私の仕事を始めた動機のひとつでもある。

でも、今日は「仕事」ではなく、ただの「友達」として、ママ友の話を聞いた。

そして思った。


よかったな
って。


子どもが病気になったことは、もちろん「よかった」なんて言えない。
だけど——
子どもが病気になったことで、自分の使命を見つけられたこと。
そして今日、誰かの不安に少しでも寄り添えたこと。

それはやっぱり、よかったな、と思うのです。


病気は決して良いことではなかった。
それでも今、「よかった」と思える未来につながっている。
そう思えるようになった今だからこそ、
あの日々にも意味があったのだと、心から感じています。


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