宙組大劇場公演『黒蜥蜴』感想|怪演、そして異端作に感じたこと
宙組公演を3月に博多座で観劇してから…
私の中で、複雑な気持ちが0になることは残念ながらないものの、少しずつ宙組作品を観れるようになりました。
実は、以前書かせてもらった「愛するには短すぎる」の観劇記に、こんなコメントをいただいていました。
naomiさん はじめまして。 宙組さんのことを書いてくださり、ありがとうございます! 感じたことを率直に書いていらっしゃるのが伝わり、温かな気持ちになりました。
複雑な気持ちを拭えない中、感動できたというお言葉は胸にしっかり刻ませていただきます。
もし、また次も観ていいかなと思われたのでしたら、大劇場公演の記事も楽しみにしています。 桜木さん春乃さん水美さんのトリデンテ、いつまでもこのままではいられないと知りながら、まだまだ観ていたくなります。
3か月前にいただいたこのメッセージが、ずっと心に残っていました。
「もし、次も観ていいかなと思われたのでしたら、大劇場公演の記事も楽しみにしています」
そんな、宙組ファンの方の想いのこもったお言葉が、心に残ったんです。
博多座公演を生観劇して自身が体感したこと、そして宙組ファンの方からいただくメッセージ。
さまざまな事柄が絡み合って、naomiは宙組大劇場公演のLIVE配信を、数年ぶりに観ました。
ミュージカル・ロマン『黒蜥蜴』
原作/江戸川乱歩 戯曲/三島由紀夫
潤色・演出/生田 大和
スパーキング・イルミネイト『Diamond IMPULSE(ダイヤモンド インパルス)』
作・演出/竹田 悠一郎
『黒蜥蜴』を観た感想は?と誰かに尋ねられたら、naomiは一言でどう答えたらいいんだろう…。
いつもならば、「感動した」「ときめいた」「ホント―によかった(;_;)」などと、まずは自分が受け取った「詳細な感想を持つ、前提となる気持ち」がはっきりしているのです。
でも、この宙組公演『黒蜥蜴』は、全ての要素が奥深くて、簡単に言葉にしてはいけないような重厚さや背景があって。
実は、なかなか感想を書き出せませんでした。
ただ、一つだけはっきり言えるのは、「この作品は今の宙組だからこそ巡ってきたのだなということ」です。
そして、今の大人の魅力を湛えた桜木みなと×春乃さくら×水美舞斗のトリデンテ、宙組メンバーだからこそ、描き出せた耽美で奥行きのある表現だったのだと感じています。
まさに、怪演そして宝塚歌劇としては、異端作だったのかもしれません。
宝塚歌劇の、新たな挑戦を感じました。
ここからは、naomiが率直に感じた「宙組大劇場公演『黒蜥蜴』感想」を限定記事でお届けします。
美輪明宏さんの映画版と宝塚歌劇版
実は、このLIVE配信を観る前(同日に)、美輪明宏さんの映画版『黒蜥蜴』が放映されていました。美輪さんの代表作の一つでもあるこの作品。
観てみたいと思っていたところに、ちょうどこのタイミングで放映されていました。
美輪明宏さんを偲ぶ意味合いもあったのかもしれませんが…
こんな巡り合わせあるでしょうか。
宙組公演の千秋楽ライブ配信の数時間前に、宝塚歌劇を一切放映しないと舵を切っているNHKが『黒蜥蜴』を放映。
偶然かもしれないし、意図的かもしれない。
それはわかりませんが、naomiにとっては宝塚歌劇版の前に、この作品を観ることができてよかったです。
圧倒的な映画版『黒蜥蜴』
映画版は、令和の時代ではとても作ることはできないのではないか、というほど攻めた表現もありましたが…
なにせ、美輪明宏さんが唯一無二の存在感と演技力、そしてとてつもない美貌を轟かせていること、共演者の方々の重厚感に圧倒されました。
そして、松岡きっこさん。
まさに、昭和の少女漫画から飛び出してきたかのようなエキゾチックな美貌。あまりの美しさに、目が離せませんでした。
宝塚歌劇版として「寸止め」
この映画版のストーリーと表現を直前に観て、宙組公演を観ると…。
やはり、生田先生は宝塚歌劇をよく理解し、潤色演出されているなと感じます。
※宝塚歌劇団公式YouTubeより
naomiは、『黒蜥蜴』の原作を読んだことがなく、また映画版で初めて作品に触れたので原作との違いはわかりません。
あくまでも一宝塚ファンの捉え方ですが…
観客が宝塚歌劇として何とか受け止められる、ギリギリのところで「寸止め」してる感が伝わってきました。
あの世界観を、そのまま宝塚歌劇に持ち込むことは難しい。
でも、それを宝塚歌劇的にオブラートに包んで、包んで表現されているなぁという印象でした。
生田先生のトップ娘役への「リスペクト」
そして、トップスター制度で成り立つ宝塚歌劇においても、『黒蜥蜴』がタイトルロールであることへのリスペクトを感じました。
すなわちトップ娘役である春乃さくらさんに、しっかりスポットが当たる描き方を生田先生が諦めなかったということ。
生田先生は、奥様が真彩希帆さん(元雪組トップ娘役)ということもあるのかもしれませんが、『ディミトリ』のルスダン(舞空瞳さん)、『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』のルイーザ(夢白あやさん)など、トップ娘役に強い光が当たる描き方が巧い!と感じています。
ここで、中途半端にトップスターである桜木みなとさん演じる「明智小五郎」にフォーカスしすぎなかったのが、よかったのではないかなと…。
きちんと『黒蜥蜴』にフォーカスしたからこそ、明智の存在感がかえって際立ったと感じました。
『黒蜥蜴』キャスト別感想
それでは、ここからはキャスト別感想を少し踏み込んでお届けします。
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