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「咀嚼音」人気の裏側。登録者30万人『わさびの食べる音』に聞く、ASMRトレンドのいま

YouTubeやTikTokでいま存在感を増しているジャンルのひとつが「ASMR」です。

脳が「とろける」「ゾクゾクする」ような快感や安心感を味わうASMRは、Z世代を中心に人気を集め、いまやテレビやSNSでも頻繁に取り上げられるようになりました。

なかでも咀嚼音(モッパン)と呼ばれる、人が食べ物を味わっている様子を動画と特殊なマイクで収録した音声で届ける動画ジャンルは、美味しそうに食べる投稿主の様子とリアルな音が楽しめるコンテンツとして、多くの視聴者を惹きつけています。

今回は、YouTubeチャンネル登録者30万人以上を誇るチャンネル『わさびの食べる音』を運営する、わさびさんにインタビュー。ASMR人気の背景と最新のASMRトレンドについて聞きました。

会社員からASMR YouTuberへ。軽い気持ちで始めた動画活動

—— わさびさんがYouTubeを始めたのは2019年頃だそうですねなぜASMR動画を投稿することにしたんですか?

わさびさん:

当時は会社員だったのですが、一般の方でもYouTubeチャンネルを持って発信することが流行り始めていた時期だったので「まずはやってみよう」という軽い気持ちで始めました。

もともと食べることが好きで、食事をするときにもASMR動画を流して「おいしそうだな〜!」と思いながら、一緒にごはんを食べたりしていたこともあり、自身でもASMR動画を投稿することにしました。

流行っているスイーツをチェックするのが日々の楽しみだったので、琥珀糖やりんご飴、惑星チョコなど、おいしくて咀嚼音が良さそうなものを食べるところから始めました(笑)。

—— 当時、ASMR動画は日本では多くなかったですよね。

わさびさん:

そうですね。海外では少しずつ増えていたと思うのですが、日本ではまだそこまで広がっていなかった印象です。YouTubeを始めるために必要なものなどの情報も今ほど多くなかったので、当初は機材なども手探りでして。試行錯誤して、今の形になっていきました。最初の動画を見ていただくと、成長も見えるかなと思います…!(笑)

▲記念すべき1本目の動画。シャリシャリと琥珀糖を食べるわさびさん

広がるASMR人気。ASMRの最新トレンドとは?

—— ASMRは、いつ頃から人気が出たと感じられていますか?

わさびさん:

一気に広まったのは、コロナの時期だったかと思います。そもそも咀嚼音は「お行儀の悪いもの」といった印象を抱かれることもあり、苦手意識を持っている人もいたはずです。

コロナ禍でASMRが広がり始めたのは「おうち時間」を楽しむ人が増えたぶん、動画コンテンツを作る人も見る人も増えたからではないかと思います。

また、Uber Eatsやテイクアウトといった「家で豪華な食事を楽しむ手段」もより充実したので、ASMRに向いた見栄えする食べ物も手に入りやすくなりました。ASMRはスマホとマイクがあれば始められますし、ビジュアルや話し方、声質などの属人性が大きく影響しないジャンルなので、参入障壁も低いのかもしれませんね。

—— 咀嚼音系のASMRには「こういったコンテンツが見られやすい!」といった、人気ジャンルはあるのでしょうか?

わさびさん:

やっぱり、音が特徴的なお菓子は人気ですね。とくにグミや琥珀糖、フルーツ飴などは「シャリッ」「モキュ」「パリッ」といった耳心地の良い音が鳴ることもあり、王道です。

あとは、カラフルなものや、ブロックや惑星などの何かをモチーフにしたものなど、ポップで奇抜な見た目のお菓子は根強い人気がありますね

私も多くの人に見ていただけるきっかけとなったのは「青いスイーツを食べる」のような特定のカラーのお菓子を集めて食べる「カラースイーツ」だったので、ASMRでは「見た目」も注目される大事なポイントですね。

▲青いスイーツを食べるわさびさん

—— たしかに、流行した「グミッツェル」「地球グミ」といった特徴的なお菓子も、ASMRから話題になったものだったように思います。

わさびさん:

そうですね! 私もそれに気付いてからは、「変わったお菓子を見たい」需要に応えるフードやお菓子を購入し、食べてみるようになりました。市場規模が大きく、ASMR系の活動をされている方の数も多い韓国のYouTubeやTikTokを見て、お菓子を選ぶことが増えています。

街中ではなかなか見かけることができない、まだあまり知られていないようなものを取り上げたいため、インターネット通販を利用したり、輸入品をたくさん取り扱っているお店に行ったりする機会も増えましたね。

最近はグミを凍らせる、フルーツにチョコをかけるなど、ひとつの食べ物をいろんな方法で食べる企画も増えてきています。これからは新しいお菓子や食べ物を開拓していく動きだけでなく、ひとつの食材をアレンジして、楽しみ方を広げるような動画も人気になりそうです。

▲カリカリといい音が鳴る、凍らせたグミ

トレンドの変化が早い時代。「変化を恐れず続けたい」

—— わさびさんはTikTokを更新されていますが、YouTubeで配信されている動画との違いはありますか?

わさびさん:

やっぱり「インパクト」ですね。YouTubeって、どちらかというと作業をしたりごはんを食べたりと、「ながら」で見たり聞いたりしてくれる人が多いんですよ。だから「音」を楽しんでもらえるよう、ある程度の余白やゆったり感を意識した編集をしています。

一方でTikTokは視聴時間も短いですし、皆さんも画面を注視しています。だから、少しでも長く動画を見てもらえるよう、一目でインパクトが伝わるような動画にしているんです。食べ物の見た目をアピールしたり、咀嚼シーンを中心にカットしたり。プラットフォームによって求められるものが違うので、その違いに合わせて動画を作成していますね。

—— ASMRにも、視聴者が求めるさまざまな要素があるのですね!最後にわさびさんが予想される今後のトレンドや、ご自身のやっていきたいことについてお伺いしたいです。

わさびさん:

ASMRの流行って、本当に早いんですよね…。1〜2週間単位で変わることも少なくないので、最速でトレンドを掴んでお菓子を取り寄せ、撮影・編集をしたつもりが、投稿するころには次のブームが来ていた!なんてことも全然あります! 日々リサーチは欠かせません。

とはいえ、これは「正解がない」と捉えることもできます。だから私は、変化を恐れずに続けていきたいと思っているんですよね。

例えば、最近は顔出し動画にチャレンジしているのですが、音や雰囲気を楽しみたい方にとっては顔を出すことがノイズとなってしまう可能性もありますよね。実際に「前の方がよかった」という声をいただく反面、表情が見られることで親近感を持って見てくださる方も増えたと感じています。

顔出しができることで、旅行先でご当地のものを食べ歩いている様子をお届けしたり、外出先やホテルで撮影したりと、ただ良い音を届けるだけでない活動にも手を伸ばしやすくなったので、今後はもっと視聴者さんと交流したり、私のおすすめを紹介したりと、さらに幅を広げた活動にも挑戦していきたいです。

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◼︎わさびの食べる音

Instagram:instagram.com/wasabi_asmr

TikTok:tiktok.com/@wasabi_asmr