ネットはなぜ雪合戦になりやすいのか

SNSを見ていると、人々は何かを投げ合っている。

意見。
感情。
皮肉。
批判。

だが、その多くは雪玉みたいなものだ。

丸められた、柔らかい球体。

当たれば「痛っ」となる。
だが致命傷にはならない。

ただ感情が弾ける。

怒り。
共感。
嘲笑。

ネットはだいたい雪合戦みたいな状態になりやすい。


雪玉は適当に投げても当たる

雪玉は丸いほど投げやすい。

精度なんていらない。
適当に投げても誰かには当たる。

当たれば反応が起きる。

「痛っ」
「ムカつく」
「わかる」
「それな」

SNSで拡散されるのはこういうものだ。

わかりやすい怒り。
わかりやすい共感。
わかりやすい正義。

丸い感情ほど誰かには当たる。

だから雪玉は飛び交う。

槍は狙わないと当たらない

雪玉と違うものもある。

槍だ。

槍は細い。
そして狙わないと当たらない。

投げる技術も必要だし、受け取る側にも理解が必要になる。

思想とか洞察はだいたいこっちに近い。

ちゃんと読まないと当たらない。

だからSNSでは槍はあまり飛ばない。

雪玉の方が簡単だからだ。

雪玉の中に針が入っていたらどうなるか

もう一つ面白いものがある。

雪玉の中に小さな針が入っていたらどうなるか。

当たった瞬間には気づかないかもしれない。

雪の柔らかさに紛れて針の存在は見えない。

だが後から
「あれ、刺さってる?」
と気づく。

思想とか皮肉はむしろこのタイプが多い。

その場では理解されない。
だが、後から効いてくる。

もっと気づかれないものもある

さらに厄介なものもある。

蚊だ。

蚊は刺すときに麻酔みたいなものを入れる。

だから刺されたことに気づかない。

だが数時間後、突然かゆくなる。

本当に尖った言葉はむしろこのタイプかもしれない。

その場では反応がない。
だが後から頭の中で引っかかる。

AIは雪玉を丸める機械

最近よく言われるのがAI文章の問題だ。

だがAIがやっていることはそこまで複雑ではない。

雪玉を丸めている。

文章の角を削り、
形を整え、
投げやすくする。

丸い雪玉は誰にでも当たりやすい。

だからAI文章は読みやすくなる。

ただしAIは針を作ることはできない。

素材がなければただ丸くするだけだ。

ネットは雪合戦が一番盛り上がる

アルゴリズムは雪玉を好む。

理由は簡単だ。

当たった瞬間に感情が反応するから。

怒り。
共感。
笑い。

反応が早いものほど数字になりやすい。

だからネットは雪合戦ばかりになる。

それでも針や蚊は存在する

だが時々雪玉の中に針がある。

あるいは蚊が飛んでいる。

その場では誰も気づかない。

だが後から
「あれ?」
と思う。

思想とはそういうものかもしれない。

ネットが雪合戦でも、たまに刺さるものがある。

そして本当に厄介なのは刺されたことすら気づかないものだ。

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