感謝は関係維持のインセンティブである
感謝は美徳として語られることが多い。
「感謝しなさい」
「感謝の気持ちを忘れるな」
「感謝できる人になりなさい」
しかし私は最近、感謝を善悪ではなく機能として見るようになった。
すると少し違う景色が見えてくる。
感謝はなぜ存在するのか
感謝は人類が発明した関係維持システムである。
誰かが助けてくれた時、
「ありがとう」と伝える。
すると相手は、
「やってよかった」
と感じる。
結果として、その行動は繰り返されやすくなる。
感謝とは単なる礼儀ではない。
行動を強化するフィードバックなのである。
感謝は善意ではない
感謝を善意として捉えると、
感謝する人は善人で、
感謝しない人は悪人になる。
しかし実際にはそう単純ではない。
感謝は関係性の維持に役立つ。
だから社会に広まった。
もし感謝という仕組みがなければ、
協力関係は維持しにくくなる。
つまり感謝は道徳というより、
共同体を維持するための技術に近い。
感謝できない人は悪人なのか
そうではない。
ただ関係維持のコストが高くなるだけである。
機械に感謝しない。
重力に感謝しない。
空気に感謝しない。
人は常に感謝して生きているわけではない。
それでも社会は回る。
感謝とは絶対的な善ではなく、
関係性を円滑にするための仕組みなのである。
感謝を神聖化しない
感謝は大切だと思う。
しかし神聖化する必要はない。
感謝は善人であることの証明ではない。
感謝とは、
人と人との協力関係を維持するためのインセンティブなのである。
