半径5mで経済を観測する人たち
「人件費が高騰してるので値上げします」と言われる。
でも周りを見ても、給料が上がっている人はほとんどいない。
するとこう思う。
「人件費なんて上がってないじゃないか」
この違和感自体は、とても自然だと思う。
ただ、ここには一つの観測の罠がある。
それは、人はだいたい 半径5mの世界で経済を判断するということだ。
半径5mの経済観測
人が普段見ている世界はだいたいこの範囲だ。
自分の給料
友人の給料
同僚の給料
つまり
「自分の生活圏」
この範囲では確かに、日本の賃金はほとんど上がっていない。
だから
「人件費が上がってる」という説明に違和感が生まれる。
価格は半径5mで決まっていない
しかし商品の価格は、この半径5mで決まっているわけではない。
むしろ価格を決めているのは
エネルギー価格
輸送費
原材料
ITサービス
海外の人件費
といった 世界経済のコストだ。
例えば
クラウドサービス
半導体
海運
エネルギー
これらはすべて海外の賃金構造の影響を受けている。
つまり
海外の賃金
↓
企業コスト
↓
商品価格
という流れが普通に存在する。
日本で起きている奇妙な状態
普通の国ではこうなる。
賃金 ↑
↓
物価 ↑
しかし日本では今、こうなっている。
物価 ↑
↓
賃金 →
つまり
世界のコストは上がるが、日本の給料は上がらない。
だから体感として「人件費上がってないのに値上げされる」という奇妙な状態になる。
半径5mの観測は間違いではない
ここで大事なのは、
半径5mの観測が間違いというわけではないことだ。
むしろ生活実感としては正しい。
ただ、価格は自分の生活圏ではなく
世界のコスト構造で決まっている。
だから「周りの給料が上がってないのに値上げされる」という現象が起きる。
経済は自分の周りではなく世界で動いている
人はどうしても自分の周囲から世界を理解する。
でも実際には
自分
↓
会社
↓
国
↓
世界
という順番で影響が降りてくる。
半径5mの観測だけで経済を判断すると、世界の動きとズレて見える。
そしてそのズレが「人件費が上がってるなんて嘘だろ」という感覚を生む。
半径5mの経済から少しだけ外を見る
経済は、意外と自分の生活圏では決まっていない。
世界のコストが
企業のコストになり
その結果として
商品価格になる。
だから
「周りの給料が上がっていない」
という観測と
「値上げされる」
という現象は、同時に成立してしまう。
半径5mの観測から少し外を見ると、その違和感の理由が見えてくる。
