AIはファミレスにも市場にもなれる

AIはコース料理を出してくれるレストランだと思われている。

「好みのものを出してください」

そう言えば、最高の一皿が出てくる。
そんな幻想がある。

でも実際のAIは、そういう存在ではない。

むしろ近いのは――

ファミリーレストランであり、市場であり、台所である。


AIはファミリーレストランになれる

ファミレスでは、メニューを選ぶ。

・ハンバーグ
・パスタ
・日替わりセット

これはプロンプトを選ぶ行為に近い。

「恋愛小説で」
「kawaii electro swingで」
「ビジネス書風に」

これは料理を作っているのではない。
メニューを選んでいるだけだ。

おすすめメニューは「神プロンプト」だ。

誰かが試行錯誤して完成させた味を、そのまま選ぶ。

安定している。
失敗は少ない。

でもそれは、あなたの味ではない。

AIは市場にもなれる

一方でAIは、市場にもなれる。

材料を選べる。

・甘みを強くする
・苦味を残す
・火加減を変える
・食感を調整する

ここから急に難易度が上がる。

なぜなら、味覚が必要だからだ。

「なんか違う」
では調整できない。

どこが違うのか、
なぜ違うのか、
どう変えたいのか、

それを言語化できなければ、市場に立っても何も作れない。

「誰でも神コンテンツ量産社会」は来ない

よく言われる。

「AIがあれば誰でも好みの神作品を量産できる」

本当だろうか。

ファミレスで満足する人は多い。
おすすめで十分な人も多い。

でも、

市場で材料を選び、
下ごしらえをし、
火を入れ、
味を整え続けられる人は少ない。

味覚を持ち、
それを言語化でき、
さらに持続できる人は、
おそらく数%もいない。

だから、神コンテンツ量産社会は来ない。

来るのは、味覚の差が可視化される社会だ。

写真家が消えない理由

スマホは全員持っている。

構図も自由に選べる。
フィルターもある。

それでも写真家は存在している。

なぜか。

光を読む人は少ないからだ。

1000枚撮って1枚を選べる人は少ないからだ。

AIも同じだ。

全員がキッチンに立てる。
でも料理人にはならない。

AIは何でも出してくれるのではない

AIは

・メニューを選ぶこともできる
・レシピを組み立てることもできる
・材料から設計することもできる

でも、完成責任はあなたにある。

AIはコース料理を出すレストランではない。

ファミレスにもなれるし、
市場にもなれるし、
台所にもなれる。

問題は、あなたがどこに立つかだ。

いいなと思ったら応援しよう!