日本人はなぜダンスを恥ずかしいと感じるのか
踊りとダンスはそもそも別の文化
日本人はよく「ダンスが苦手」と言われる。
でも日本には昔から踊りの文化がある。
盆踊り
阿波踊り
祭りの踊り
こうした踊りには多くの人が普通に参加する。
つまり日本人は「踊ること」自体が嫌いなわけではない。
ではなぜダンスになると急に恥ずかしくなるのだろう。
踊りとダンスは構造が違う
日本人の感覚では、この二つはかなり違う文化になっている。
踊りは参加するものだ。
みんなで同じ動きをして、場を楽しむ。
上手い下手はそれほど問題にならない。
重要なのは「一緒にやること」だ。
一方でダンスは見せるものだ。
人に見てもらう
技術を披露する
上手いかどうかを評価される
つまりダンスはパフォーマンスであり、ある意味では競技でもある。
この違いは大きい。
踊り
→ 参加文化
ダンス
→ 技術を競う見せ物文化
学校のダンスが恥ずかしい理由
学校の体育祭などでダンスや演舞をするとき、多くの人が恥ずかしいと感じる。
それは観客がいるからだ。
全校生徒
先生
保護者
つまり最初から「見られるパフォーマンス」として設計されている。
参加型の踊りではなく、見せるダンスになっている。
だから恥ずかしさが生まれる。
人間関係の距離も影響する
さらに言うと、恥ずかしさは「誰に見られるか」にも関係している。
友達だけのカラオケ
→ 平気
知らない人に聞かれるカラオケ
→ 恥ずかしい
踊りも同じだ。
つまり日本人の恥は、行為そのものではなく「社会的距離」によって生まれる。
共同体がなくなった社会
昔の踊りは、同じ地域の人たちで行われていた。
みんな顔見知りの共同体だ。
だから評価される感じが弱い。
しかし都市社会では、共同体が弱くなっている。
学校
イベント
SNS
多くの場面で「知らない人」に見られる。
すると踊りは参加文化ではなく、パフォーマンス文化になってしまう。
もしかすると日本人がダンスを恥ずかしいと感じるのは、踊りの問題ではなく「共同体がなくなった社会」の問題なのかもしれない。
