概念は接着剤として使われる
人は、説明のために概念を使う。
同時に、自分の言いたいことを通すために、概念を接着剤として使う。
問題はここからだ。
異なるレイヤーの話でも、概念を使えば“繋がったように見せられる”。
■ 接着の典型パターン
科学用語(ミラーニューロン)
心理モデル(シャドウ)
詩的解釈(本音の摩擦)
本来は横並びに置かれるべき仮説や比喩だ。
しかし縦に並べると、因果関係のように見えてしまう。
A(観測)→ B(モデル)→ C(解釈)
この並びは“説明”の形式をしている。
だが実態は、概念による接着に過ぎない。
■ なぜ成立するのか
1)ラベル効果
名前が付いた瞬間、人は理解した気になる。
2)権威ショートカット
専門用語は、それ自体が正しさの証明のように扱われる。
3)停止点の最適化
人は“納得できる深さ”で思考を止める。
■ 何が問題か
部分を全体の原因に拡張する(単一要因化)
前提や条件が消える(スコープ消失)
反証不能な結論で締める(検証不能化)
その結果、説明は成立する。
だがそれは正確だからではなく、止まりやすいからだ。
■ 見抜き方(3つだけ)
1)レイヤー確認
それは観測か、モデルか、解釈か。
異なるレイヤーが直列に接続されていないかを見る。
2)因果のジャンプ
「だから」の前後で、スケールや意味が飛んでいないかを確かめる。
3)単一要因化
複雑な現象を一つの概念で説明していないかを疑う。
■ 言い換え
「説明」ではなく接着
「理解」ではなく納得
「原因」ではなくラベル
■ 結論
概念は便利だ。
だが、その便利さは接着力にもなる。
繋がっているのか。
それとも、繋げているだけなのか。
この違いを見分けられない限り、
説明はいつでも成立してしまう。
