ジョン王を笑えない現代人 ― マグナカルタは業務引き継ぎマニュアルだった説

みんな、ジョン王をバカにしすぎではないだろうか。

学校で習うジョン王はだいたいこうだ。

無能王
貴族にボコられた人
マグナカルタを書かされた人

おしまい。

しかし、少し待ってほしい。

もし現代企業にジョン王がいたらどうなるだろう。

たとえばこうだ。

  • 「俺しか仕様分からん」

  • 「資料?頭に入ってる」

  • 「昨日の方針?変わった」

  • 「引き継ぎ?Slack見て」

  • 「前任者しか知りません」

……あれ?

これ、ジョン王では?

むしろ我々の方が、毎日マグナカルタ寸前なのではないだろうか。


マグナカルタって何だったのか

普通、マグナカルタはこう教わる。

王権制限
法の支配
立憲主義の始まり

もちろん間違いではない。

だが、現場翻訳すると少し景色が変わる。

ジョン王の時代、問題だったのは極論こうだ。

「王の気分で全部決まる」

急な増税。

急な徴兵。

急な方針変更。

承認フロー?

ない。

稟議?

ない。

仕様書?

ない。

全部ジョン王の頭の中。

現代企業なら普通に事故である。

現場が限界を迎えると、人は文書化を始める

ここで貴族側がキレる。

よく考えると、マグナカルタってかなり現代的だ。

ざっくり言うと、

「急な仕様変更やめてください」

「ルールを明文化してください」

「承認プロセスをください」

である。

つまり、

属人化しすぎた組織に対する現場改善要求。

王権制限というより、

“ジョン王、少し運用を整えてくれ”

の側面がある。

言い換えると、

超ワンマン組織の業務マニュアル化

である。

なんか急に笑えなくなってこないだろうか。

「俺しか分からない」は最強であり最弱

現代でもある。

やたら仕事ができる人ほど、

「自分しか分からない状態」

を作ってしまう。

本人は悪気がない。

むしろ責任感すらある。

「俺がやった方が早い」

「説明する方が面倒」

「急ぎだから今はいい」

そして数年後。

その人が休む。

退職する。

異動する。

すると組織はこうなる。

「前任者しか知りません」

📜✨

――マグナカルタ発動。

ジョン王を笑える人はどれくらいいるのか

ここで少し厳しい話をしたい。

ジョン王を笑えるのは、

属人化せず

再現性を持たせ円滑な引き継ぎができる状態を構築した者だけ

ではないだろうか。

我々は本当に、

  • 急な仕様変更をしていないか?

  • 口頭依存になっていないか?

  • 「自分しか分からない」を作っていないか?

  • 引き継ぎ資料を未来の誰かに残しているか?

もしやっていないなら、

ジョン王を笑う前に、

自分のSlackとGoogle Driveを見た方がいいかもしれない。

そこには小さなジョン王が住んでいる。

終わりに

マグナカルタを「自由の始まり」と教わることは多い。

だが私はこうも思う。

あれは、

“現場が限界を迎えた結果の運用改善”

でもあったのではないか。

そして歴史は、案外現代人を笑っていない。

笑われているのは、我々の方かもしれない。

いいなと思ったら応援しよう!