本質とは人生の積み重ねで地層のようなものである

「人の本質は変わらない」

よく聞く言葉だ。

けれど私は、これに少し違和感がある。

本当にそうだろうか。

人は人生で何度も変わる。

傷つく。

失敗する。

成功する。

裏切られる。

守るものができる。

病気になる。

子供が生まれる。

仕事を失う。

それでも、

「本質は変わらない」

と言えるのだろうか。

私はむしろ、

本質は変わらないのではない。変化しにくいだけだ。

と思っている。


本質は“地層”である

本質を、何か中心にある核のように考えがちだ。

でも実際は、

もっと地層に近い。

幼少期の経験。

家庭環境。

学校。

成功体験。

失敗体験。

人間関係。

時代背景。

仕事。

社会。

それらが少しずつ積み重なって、

今の判断基準や思考体系ができていく。

つまり、

本質とは“人生の堆積物”

なのだと思う。

だから急には変わらない。

長年積もった地層は、そう簡単には崩れない。

それでも地殻変動は起きる

ただし、地層は固定ではない。

人生には、

地殻変動

のような出来事がある。

大切な人との別れ。

事故。

病気。

出産。

大失敗。

成功。

喪失。

社会環境の変化。

こうした大きな出来事は、

人の思考そのものを少しずつ動かす。

だから、

20歳の自分と40歳の自分が同じとは限らない。

子供ができた後と前でも違う。

失敗前と失敗後でも違う。

けれど、

完全に別人になるわけでもない。

昔の地層は残っている。

その上に新しい層が積もる。

あるいは、断層がズレる。

だから、

人は変わる。けれど、急には変わらない。

という表現の方が近い気がする。

本質とは“不変”ではない

本質という言葉が誤解を生みやすいのは、

それを

「変わらないもの」

として扱うからかもしれない。

でも実際は、

変化しにくいもの

なのではないか。

人間は環境の影響を受ける。

時代にも左右される。

経験によって判断基準も変わる。

だから、

本質とは、

何か絶対不変の芯ではない。

人生の積み重ねによって形成され、地殻変動によって少しずつ姿を変える“地層”

なのだと思う。

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