小説十八史略
夕方、少しだけ読んだ。
焼魚の腹に、匕首。
手を入れて、つかみ、刺す。
呉王は即死。
書いてあることは、それだけだ。
余計な言葉がない。
だから、場面がそのまま立ち上がる。
本を閉じてから、
ピアノの前に座った。
インベンションの一声目。
迷いなく、鍵盤を押す。
音は短く、はっきり鳴った。
飾らない文章と、
逃げない音。
どちらも、
腹の中に隠すものはない。
── よはく
夕方、少しだけ読んだ。
焼魚の腹に、匕首。
手を入れて、つかみ、刺す。
呉王は即死。
書いてあることは、それだけだ。
余計な言葉がない。
だから、場面がそのまま立ち上がる。
本を閉じてから、
ピアノの前に座った。
インベンションの一声目。
迷いなく、鍵盤を押す。
音は短く、はっきり鳴った。
飾らない文章と、
逃げない音。
どちらも、
腹の中に隠すものはない。
── よはく