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名前の発音の仕方

アメリカに語学留学をしていた時、世界中から留学生が集まっていた。

ドイツ、エチオピア、パキスタン、レバノン、ベネズエラ、ドミニカ共和国など。

留学生はみんな、それぞれの国特有の訛りのある英語を堂々と話していた。

英語の発音に自信がなかった私は、そんな彼らから非常に勇気を貰った。

どこの国から来た人だったか忘れたが、英語のスペル通りに発音する人がいた。

誕生日を聞く時も

「ウェン イズ ユア ビルスダイ?」

と言うので、「orange」を「オランゲ」と言いながら英語のスペルを覚えた時のことを思い出した。

その人が

「トゥットゥアナカムンを見た」

とか言っていて、何のことかと思ったらツタンカーメンのことだった。

日本ではツタンカーメンと言っているが、発音が変わると別物に思える。

そう言えば、ヘボン式ローマ字のヘボンとオードリー・ヘプバーンはスペルが同じだ。

でも、オードリー・ヘボンとは呼ばないし、ヘプバーン式ローマ字とも言わない。

ヘボンとヘプバーンじゃ、雰囲気が全く違う。


日本人が英語の発音に苦労するのと同じくらい、欧米人にとっても日本語の発音は難しいらしい。

名前の読み方も難しいらしく、みんな変な呼ばれ方をしていた。

スミコはセミカになるし、モトアキはモロワーキになる。


同じクラスに、カワサキ ヒデキ君と言う日本人がいた。
最初の授業の時、先生が点呼を取った。

「ハイデカーイ、ハイデカーイ」

先生が呼んでも、誰も返事をしない。

先生は、キレ気味に叫んだ。

ハイデカーイ カ、ワ、サ、キィー!

「えーっ、俺ー?」

ヒデキ君は、驚いて返事をした。

アメリカ人は、「i」を「イ」ではなく「アイ」と発音する。
だから先生は、「Hideki」を「ハイデカイ」と読んだのだ。


「でも、カワサキは読めんじゃん。カワサカーイって言わなかったじゃん」

ヒデキ君は、納得していない。

「やっぱりカワサキって言ったらバイクで有名だからかな?」

そんな会話をした気がする。


その後も先生は呼び方を変えなかったので、彼は「ハイデカーイ」になった。

でも「ハイデカーイ」って、なんかドイツ人ぽくてカッコいい。


もしかしたら先生は、西城ヒデキさんのことも
「ハイデカーイ」と呼ぶのかもしれない。





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