くじら🐋
今年も、お中元の季節が近づいてきた。
毎年頂く物に、『松浦漬』というものがある。

『松浦漬』の作られている所は、江戸時代に捕鯨基地があった地域にある。
捕鯨は、この地域に莫大な富をもたした。
我が家からも遠くない所で、フランス人ダイバーのジャック・マイヨールが、幼少期に潜りに来ていた海も近い。
この『松浦漬』は、鯨の上顎の軟骨を粕漬けにしたもの。
甘い酒粕を纏った軟骨はコリコリとした独特の食感で、酒の肴やご飯のお供になる。

その昔、鯨は日本人の貴重な蛋白源だった。
刺身は生姜醤油で、尾ヒレから作れたらオバイケは酢味噌で食べる。
鯨ベーコンなんてものや、大和煮の缶詰なんてものもあった。
小学校の給食にも、鯨の竜田揚げがあった。
竜田揚げは冷めてしまうと硬くなり、先割れスプーンで食べるのは苦労する。
残してはいけないので頑張って食べたのだが、鉄分豊富な味がした。
近年は、鯨を食べることに異を唱えられるようになった。
もちろん、わざわざ鯨を食べなくても生きてはいける。
でも最近は鯨が増え過ぎて、高速艇にぶつかる事故なんかも起きている。
だから何事も、バランスが大事だと思う。
「正義」を振りかざして相手を攻撃するだけだと、世の中は生きにくくなってしまう。
ねぇ、そんなに目くじら、立てなくてもよくない?
もう少し何事も、ゆるゆる、ほどほどにならないかな?
以前、水族館で保護されていた迷子のクジラを見た。
夜に訪れた水族館は、ミステリアスな世界。
優しいミストが降り注ぐ外のプールで、
2頭のクジラが潮を吹き上げながら悠々と泳いでいた。
照明に照らされて艶やかに光る姿は、
とてもとても美しかった。
食べられなくて、良かったね。
