なぜ魚を主人公にしたのか
小説と言えば、人間が主人公になるのが普通です。
動物が主人公の作品もあります。
しかし魚が主人公となると、あまり多くはありません。
私が魚を主人公にした理由は単純です。
釣りが好きだったからです。
高校生の頃、私はよく函館周辺の海へ釣りに行っていました。
カワハギもその頃によく釣っていた魚の一つです。
私が子供の頃、魚を主人公にした作品と言えば、まず思い浮かぶのが『ハゼドン』でした。
もちろん本作はハゼドンのような作品ではありません。
しかし魚が主人公として活躍する物語に興味を持ったきっかけの一つだったように思います。
高校生になり、釣りをするようになってからは、
「魚の世界を魚の視点で描いたらどうなるだろう」
と考えるようになりました。
そして生まれたのが『カワハギの逆襲』です。
釣りをしていると、ふと考えることがあります。
魚から見たら、この世界はどう見えているのだろう。
人間にとってはただの餌。
しかし魚から見れば、それは突然上から降ってくる謎の存在です。
食べた瞬間に引き上げられることもあります。
本作の中でも、
「上から降ってくるもの」
は魚たちにとって恐怖の象徴として描いています。
また海の中では毎日のように生き残りをかけた戦いが繰り広げられています。
ハモ。
サメ。
そして人間。
魚たちは常に危険と隣り合わせです。
人間から見ると小さな魚でも、
魚の世界ではそれぞれが主人公です。
そんな視点で物語を書いてみたいと思いました。
もちろん現実のカワハギが巨大化したり、サメと戦ったりすることはありません。
今読み返してみるとかなり大胆な設定です。
函館湾最強のカワハギ。
全長1メートルを超えるウマヅラハギ。
完全にSFの世界です。
それでも、
「魚の世界を魚の視点で描く」
という発想は当時から変わっていません。
この作品は高校生の頃に書いたものを再構成した作品ですが、
今でも自分らしい作品の一つだと思っています。
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