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理学療法士そらの資格ノート.心不全療養指導士編第5章 心不全の診断,成因,検査

こんにちは。そらです。

この章は心臓の解剖や病気の解釈に重要だと思います。少しボリュームがあるので分けて解説していこうと思います。
今回は1心臓の構造と2心臓の働き(健常人)をまとめてみました。
流れがイメージできていれば、だいたい頭に入ってると思います。
次回に3心不全の原因疾患の各疾患をまとめたいと思います。

※認定試験ガイドブックに準じて作成

1.心臓の構造
① 概略
• 人の心臓は4つの部屋
→ 右心房・右心室・左心房・左心室
• 心房と心室の接合部には線維輪があり、
• 心房と心室を電気的に絶縁
• 血液の逆流を防ぐ4つの弁が存在

4つの弁
1. 右房室弁:三尖弁
2. 左房室弁:僧帽弁
3. 大動脈弁(動脈弁)
4. 肺動脈弁(動脈弁)

• 大動脈弁・肺動脈弁:弁尖のみからなる動脈弁
• 僧帽弁・三尖弁:腱索を介して乳頭筋とつながる房室弁
→ 収縮期に心房側へ翻転しないようにしている。
• 弁のおかげで血液は逆流せず、一方向性に循環する。

血液の流れ(図2)

全身 → 大静脈 → 右心房 → 右心室 → 肺動脈 → 肺(ガス交換)
→ 肺静脈 → 左心房 → 左心室 → 大動脈 → 全身



② 刺激伝導系
• 自動能をもつ細胞から成る伝導路。洞結節が正常のペースメーカー。

興奮の伝わり方(図4)
1. 洞結節(右心房上壁)
2. 心房筋
3. 房室結節
4. ヒス束
5. 右脚・左脚
6. プルキンエ線維 → 心室筋

心電図との関係(図3・図4)
• P波:心房の興奮 → 心房収縮
• QRS波:心室の興奮 → 心室収縮
• T波:心室の興奮の回復(再分極)

心周期と心音
• 収縮期:心室収縮・駆出期
• 拡張期:心室弛緩・充満期
• 房室弁が閉じる音 … Ⅰ音
• 大動脈弁・肺動脈弁が閉じる音 … Ⅱ音



③ 冠動脈(図5)
• 心筋に酸素と栄養を供給する血管。
• 大動脈起始部(バルサルバ洞)から左右1本ずつ出る。

右冠動脈(RCA)
• 右心房・右心室
• 左室下壁・後下壁の一部
• 洞結節枝・房室結節枝を出すことが多い

左冠動脈(LCA)
1. 前下行枝(LAD)
• 左室前壁・心室中隔前2/3
2. 回旋枝(LCx)
• 左室側壁・後壁の一部

▶︎「LAD=前壁・中隔、LCx=側壁、RCA=右室と下壁」と押さえておく。



2.心臓の働き(健常人)

① 心臓ポンプ機能と4つの因子

(前負荷・後負荷・心拍数・心収縮力)

1)心臓ポンプ機能の調節因子
• 心臓からの血液拍出を左右する主な要素は
前負荷・後負荷・心拍数・心収縮力 の4つ。
• これらが変化することで1回拍出量と心拍出量が変動する。



2)前負荷(図1・図2)
• 心室が収縮する前にどれだけ伸ばされているかを示す負荷。
• 目安:
• 左室拡張末期容積
• 中心静脈圧・肺動脈楔入圧 など
• 静脈還流量↑ → 前負荷↑
• 一定範囲では、前負荷↑ → 収縮力↑ → 1回拍出量↑(Starlingの法則・図2)。
• ただし過度の前負荷↑は、かえって拍出量を低下させる。



3)後負荷(図3)
• 心室が血液を駆出するときに打ち勝つべき圧負荷・抵抗。
• 主に
• 大動脈圧(平均動脈圧)
• 全身血管抵抗(SVR)
で表される。
• 後負荷↑ → 1回拍出量↓。
• 長期的な後負荷増大(高血圧など)では
• 左室壁厚↑・左室収縮末期径↓(Laplaceの法則)
が起こる。



4)心拍数
• 1分間あたりの心拍数。
• 心拍出量 = 1回拍出量 × 心拍数
• 一定範囲では心拍数↑ → 心拍出量↑。
• しかし、あまり速い頻脈になると
• 拡張期が短縮 → 心室充満量↓ → 1回拍出量↓
→ 心拍出量はかえって低下する(図4)。



5)心収縮力
• 心筋そのものの収縮する力。
• 交感神経刺激やカテコラミンなどで増強。
• 虚血・心筋障害などで低下。
• 収縮力↑ → 同じ前負荷でも1回拍出量↑(Starling曲線の上方シフト)。



② 1回拍出量・心拍出量

1)1回拍出量(SV)
• 1回の心拍で心室から駆出される血液量。
• 成人安静時:約70 mL程度(テキスト値に合わせて暗記)。
• 前負荷・後負荷・心収縮力の3因子で決定される。

2)心拍出量(CO)
• 1分間に心臓から動脈系へ送り出される血液量。
CO = SV \times HR
• 成人安静時:およそ 4〜5 L/分。
• 体表面積で補正した指標が心係数 CI。



③ 心拍出量の調節機構(図6・図7)
1. 交感神経系
• 心拍数↑・心収縮力↑
• 末梢血管収縮 → 血圧維持・後負荷↑
2. RAA系・抗利尿ホルモン
• 腎血流量低下 → レニン・アンジオテンシン・アルドステロン活性化 • Na・水の再吸収↑ → 循環血液量↑ → 静脈還流↑(前負荷↑)
3. その他の因子
• 静脈還流量(体位・筋ポンプ・胸腔内圧など)
• 血液粘稠度・血管コンプライアンス など

心拍出量低下時の反応(図7)
• 心拍出量↓ → 血圧低下を防ぐため
• 交感神経活性化
• RAA系・ADHによる水・Na貯留
→ 前負荷↑・後負荷↑で血圧を保とうとする。
• これが長期化すると体液貯留・浮腫・心不全につながる。



④ 心拍出量の配分(図8)
安静時 CO 5 L/分を100%として
• 脳:15%前後
• 冠循環(心臓):約5%
• 肝臓+消化管:25%前後
• 腎:20%前後
• 骨格筋:15〜20%
• 皮膚:数%
• その他(骨・内臓など):残り

運動時
• 全体の心拍出量は大きく増加(〜25 L/分程度)。
• 骨格筋への血流が著明に増加(80%程度まで)。
• 腎・消化管・皮膚への血流は相対的に低下。
• 脳・冠循環への血流はほぼ一定に保たれる。

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