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AIが「事業のOS」になった——2か月の仕事を1週間で終えた話

先日、使っているAIサービスが数時間ダウンした。

正直、その日はまともに仕事が進まなかった。いっそ休みにしてしまおうかと本気で思ったほどだ。

半年前の自分が聞いたら笑うと思う。でもこれが今の現実で、それくらい仕事の進め方が根本的に変わってしまった。AIは壁打ち相手でも、ちょっとした作業を手伝ってくれるアシスタントでもない。事業を動かすためのOS——基本ソフトそのものになっている。



2か月かかっていた年間プランニングを、1週間で終えた

一番わかりやすい変化は、年間プランニングだ。

大手メーカー時代、次年度のプランを作るには2か月かかった。分析や検討に1か月、社内の数十人を巻き込んだ議論や修正にもう1か月。それが当たり前だった。

今は、それを1週間で終えている。分析も議論も含めて。

やっていることはシンプルだ。まず事業のレビューから始める。直近の数字を読み込ませて、事業に大きな影響を与えている課題と機会を洗い出す。主要チャネルごとの分析も、仮説を明確にしてデータを渡せば、一気通貫で進めてくれる。所要時間は約2時間。

驚いたのは、この時点で相当レベルの高いプランが出てきたこと。しかも自分が見落としていた論点や、データから読み取れる新しい示唆まで出してくれる。

そしてここからが面白い。そのプランをベースに壁打ちをお願いすると、客観的な視点からレビューしてくれる。今まで社内のメンバーと会議を何回もセットして議論を深めていたプロセスを、手元でどんどん回せる。方向性が固まれば、月別のアクションプランやKPIの設計まで一緒にできる。

結果、大企業では数十人を巻き込んで2か月かけていた業務を、私と担当者と社長の3人で数回議論するだけで決裁して実行に移すことができた。しかもプランの質は落ちていない。むしろ、今まで扱いきれなかったデータの分析結果も踏まえているから、客観的な根拠に基づいた意思決定ができている実感がある。


やりっぱなしを卒業できた——モニタリングの自動化

プランニングだけじゃない。日々のモニタリングとレポーティングも自動化した。

中小企業あるあるだと思うけど、何かアクションを打っても、振り返る時間がとれない。「なんとなく良かった」「なんとなくダメだった」で次に進んでしまう。やりっぱなし問題。これは自分もシュマッツ時代に痛感していた。

今は、KPIのデータを自動で読み込んで、売上の推移だけじゃなく、重要なモニタリングポイントとして設定した指標の状況、さらにはそこに影響した施策やアクションの効果まで確認できる仕組みを作った。

これができると何が変わるか。一つひとつのアクションの結果を客観的に評価して、改善点を見出せるようになる。追い風が吹いているなら、それを活かす次の手が打てる。判断のスピードが上がるから、実行にしっかり時間をかけて取り組むことができる。


小さいことが武器になる時代がきた

この半年で強く感じているのは、中小企業こそAIを使うべきだということ。

大企業では意思決定に何層ものプロセスがある。関係者が多いから、どんなに良い分析が出ても、合意形成に時間がかかる。仕組みや体制を変えるにも稟議と調整が必要で、スピードが出ない。

中小企業は違う。経営者が「これでいく」と決めれば、翌日から動ける。AIの分析結果を見て、すぐに方針を変えられる。この意思決定の速さとAIの処理能力の掛け合わせは、大企業には真似できない。

小さいことがハンデだった時代から、小さいことが武器になる時代に変わりつつある。

だからといって、いきなり高度なツールを使う必要はない。まずはChatGPTやClaudeのような対話型AIで、自分の事業の課題を相談してみるだけでいい。そこで手応えを感じたら、一歩ずつ深くしていけばいい。一番良いのは、経営者自身が触ること。事業の全体像が見えている人間がAIを使うのが、一番成果が出る。


ただし、人間がボトルネックになる覚悟はいる

ここまで良いことばかり書いたけど、正直、楽になったわけではない。

2か月で処理していた情報を1週間で処理するということは、人間の側にも相当なスピードと判断力が求められる。AIが一気にアウトプットを出してくれるぶん、それを評価し、論点を整理し、方向性を決めるのは自分だ。

AIを事業のOSとして使うということは、超優秀な専門家チームを束ねるマネージャーになるということでもある。彼らは指示すれば驚くほどのスピードと精度で仕事をしてくれる。でも、何を指示するか、アウトプットの質を見極められるか、最終的な判断を下せるかは、人間にかかっている。

人間がボトルネックにならないように仕事を進める。これが、AIをOSとして使っていくうえで一番大事なことだと思っている。


まず触ってみて、自分の事業で試してみてほしい

AIの本当の価値は、使ってみないとわからない。

前回の記事で「問いの立て方」が大事だと書いた。それは今も変わらない。でも今回伝えたかったのは、問いの立て方を磨いていった先に、事業そのものの動かし方が変わる世界がある、ということ。

まずは一つ、自分の事業の課題をAIに聞いてみてください。「来期の計画を考えたいんだけど、何から整理すればいい?」でもいい。「先月の売上データを見て、気になるポイントを教えて」でもいい。

そこから始めて、手応えを感じたら少しずつ深くしていく。気づいたら、AIなしでは仕事が進まない状態になっているかもしれない。それは依存ではなくて、新しい仕事の仕方を手に入れた、ということだと思う。


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