見出し画像

# 東大英語の過去問は、「訳す」前に設計図を読む

# 東大英語の過去問は、「訳す」前に設計図を読む

今日から、東大英語の講義は少し段階を上げます。

これまでは、指示語、対比、言い換え、逆接、具体例など、英文を読むための部品を一つずつ見てきました。いわば、工具の使い方を確認してきた段階です。

ここからは、その工具を持って、実際に過去問へ入っていきます。

最初に扱うのは、第1問Aの要約です。

東大英語の要約問題は、昔から受験生を苦しめる問題です。英文の量がものすごく長いわけではありません。単語も、全部が難解というわけではありません。

それなのに、いざ答案を書こうとすると手が止まる。

なぜか。

それは、多くの受験生が、要約を「短く訳す問題」だと思っているからです。

本文を最初から最後まで読んで、何となく意味を取り、それを少しずつ削って70字前後に押し込もうとする。これは、かなり危ない読み方です。

東大が見ているのは、英語をどれだけたくさん日本語に置き換えられるかではありません。

見ているのは、本文の中から「論理の骨格」を拾えるかどうかです。

本文には、重い文と軽い文があります。

筆者が本当に言いたい文。
その理由を支える文。
常識や反論とのズレを示す文。
そして、それらを分かりやすくするための具体例。

このうち、要約答案に入れるべきなのは、主に前の三つです。具体例は、原則として一段下げて読みます。

もちろん、具体例が大事でないという意味ではありません。具体例は、筆者の主張を理解するためにはとても大切です。ただし、答案にそのまま入れるものではありません。

たとえば本文に、自動翻訳、検索エンジン、AIツールの話が出てきたとします。

ここで受験生は、その例を一生懸命訳そうとします。

「自動翻訳はこうで、検索エンジンはこうで、AIはこうで……」

しかし、それを全部入れてしまうと、70字はすぐに埋まります。しかも、答案は具体例の寄せ集めになってしまう。

大切なのは、そこで一度立ち止まって、

「これは、何の例か?」

と考えることです。

自動翻訳やAIツールの例が出ているなら、それはおそらく「情報処理は速くなったが、意味を判断する力はまだ人間に残る」という抽象的な話を支えるために置かれているのかもしれません。

要約に入れるべきなのは、例そのものではなく、その例が支えている抽象的な意味です。

ここが分かると、東大英語の読み方はかなり変わります。

過去問を開いたら、最初の30秒で見る場所は三つです。

一つ目は、話題です。
本文は何についての文章なのか。

二つ目は、筆者の主張です。
筆者は最終的に何を言いたいのか。

三つ目は、ズレです。
一般的な考え方、反対意見、昔の考え方と、筆者の考えはどこが違うのか。

英語で言えば、

Topic
Claim
Contrast

この三つです。

これが取れれば、要約答案の材料はかなりそろいます。

逆に言えば、この三つを取らないまま全文和訳に入ると、本文の中で迷子になります。

英語が得意な生徒ほど、この落とし穴にはまりやすいです。訳せてしまうからです。訳せるので、つい全部を大事に見てしまう。

しかし入試答案では、全部を大事にすることはできません。

大事なものを選ぶ。
軽いものを捨てる。
具体例を抽象化する。
筆者の言いたいことを、日本語で再設計する。

これが東大英語の要約です。

答案を書くときは、いきなり美しい日本語にしようとしなくて構いません。

まず、三行メモを作ります。

一行目、話題。
本文は何を扱っているか。

二行目、筆者の主張。
何を大事だと言っているか。

三行目、理由または対比。
なぜそう言えるのか。何と違うのか。

この三行メモを作ってから、70字前後の日本語に整える。

最初から完成答案を書こうとすると、だいたい失敗します。頭の中が整理されていないまま、きれいな日本語を作ろうとするからです。

東大の要約は、英語を短くする問題ではありません。

筆者の頭の中を、70字で再設計する問題です。

だから、今日の結論はこれです。

過去問は、「訳す」前に設計図を読む。

本文の上に線を引くなら、三本で十分です。

主張線。
理由線。
対比線。

for example、such as、for instance が出てきたら、すぐに中身へ飛び込まない。

これは何の例か。
どの抽象文を支えているのか。
答案に入れるなら、どう一段上げて言い換えるのか。

そこを見る。

過去問演習は、量をこなすだけでは伸びません。

同じ一年分を解いても、ただ訳して終わる人と、本文の設計図を読み取る人では、得られるものがまったく違います。

今日からは、東大英語を「読めた気になる勉強」から、「答案にできる勉強」へ切り替えていきます。

まずは第1問A。

短く訳すな。

骨格を取れ。

#東大英語
#東大受験
#大学受験
#受験英語
#英語長文
#英文読解
#要約問題
#東大英語第1問
#第1問A
#過去問演習
#過去問対策
#英語要約
#英文要約
#読解力
#論理的読解
#構文把握
#英文構造
#英語学習
#受験勉強
#高校英語
#難関大対策
#国公立大学受験
#東京大学
#文系受験
#理系受験
#東大文三
#東大入試
#英語の勉強法
#勉強法
#要約のコツ
#英語長文対策
#答案作成
#記述対策
#論理の骨格
#主張を読む
#具体例の読み方
#対比構造
#逆接の読み方
#受験生応援
#高3受験生
#浪人生
#独学受験
#予備校いらず
#保存版
#Hironote
#Hiro英語
#東大英語過去問演習

いいなと思ったら応援しよう!