ネバネバ唾液という謎
私は歯科医として日々多くの患者の口腔を観察している。
その中で、ずっと気になっている現象がある。
それが
「ネバネバ唾液」だ。
唾液というと、一般的にはそれなりに粘性のあるサラサラしたものを想像すると思う。
しかし実際の臨床では、一定数の患者さんで
糸を引くような粘性の強い唾液を目にする。
私の感覚では、およそ 10〜20%程度。
決して多数ではないが、
無視できない割合だ。
さらに観察を続けていると、
ネバネバ唾液にもいくつかタイプがあることに気づいた。
一つは
水分を含んでいるドロっとしたタイプ。
口腔内は比較的潤っていて、唾液に粘性がある。
もう一つは
口の中はそれほど潤っていないのに糸を引くタイプ。
乾燥気味なのに、唾液が細くネバ〜っと伸びる。
同じ「ネバネバ」でも
どうやら性質が違うようなのだ。
この違いが何を意味するのかは
まだわからない。
しかし私は最近、
ある仮説を持ち始めている。
それは
唾液は体内環境を反映しているのではないか
という考えだ。
唾液は血液から作られる体液であり、
• 水分状態
• 自律神経
• 呼吸
• 食生活
• 口腔環境
など様々な影響を受ける。
つまり、唾液は
身体の状態を映す鏡なのかもしれない。
そしてもう一つ、
私が強い興味を持っているテーマがある。
それが
男性の妊活(男性側の身体環境)だ。
不妊の議論では
女性側に焦点が当たることが多い。
しかし実際には
男性の身体状態も大きく関わる。
もし唾液が体内環境を反映しているのだとしたら、
唾液の状態と
妊娠のしやすさの間に
何らかの関係がある可能性もあるのではないか。
もちろん、これはまだ仮説にすぎない。
しかし仮説は
観察から生まれる。
そこで私は
小さな研究を始めてみることにした。
日々の診療の中で
• 唾液の状態
• 生活習慣
• 妊活期間
などを観察し、
データとして記録していく。
特に注目しているのは
ネバネバ唾液の男性と妊活期間の関係。
もしそこに何かの傾向が見えたなら、
それはとても面白い発見になるかもしれない。
これは大きな研究ではない。
小さな診療所で始まる
小さな観察だ。
しかし医学の世界では
こうした小さな違和感が
新しい発見につながることも少なくない。
これからこのnoteでは、
「オーラル妊活」
という視点から
口腔と妊活の関係について考えていきたいと思う。
まずは
ネバネバ唾液という小さな謎。
ここから
物語が始まるかもしれない。
