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『DROP/ドロップ』感想「極上のサスペンスに見せかけて終盤の肉弾戦に驚愕!」

今回の映画エッセイは『DROP/ドロップ』である。

高層ビルの最上階のレストランで心理戦が繰り広げられる「ほぼワンシチュエーションスリラー」で、手に汗握る展開で楽しませてくれる映画である。

公開前にこの映画の存在を知った時から「絶対に映画館に観に行く!」と決めていた。

『DROP/ドロップ』はほぼワンシチュエーションで繰り広げられる心理戦で、しかも上映時間が95分と短い。

この条件がカッチンの大好きな映画『フォーン・ブース』と酷似していたので、自然と期待度が高まっていたのだ。

かなりハードルを上げた状態で観たせいか「面白かった!けどちょっと物足りない…」というのが『DROP/ドロップ』の正直な感想である。

ハラハラドキドキできるストーリーだし、撮り方や演出も素敵だったと思う。

主人公のバイオレットがトイレで頭を悩ませ画策するシーンも緊張感たっぷりであった。

それなのに「最高に面白かった!」という状態にならなかった要因をカッチンなりに掘り下げてみたのである。


映画の中で連絡手段として使われているのがスマホのドロップ機能なのだが、実はカッチンはこのドロップ機能にまったく馴染みがない。

なんとなくそういう機能があるのは知っているが、イマイチわからないので調べてみると、iPhoneだとAirDrop、アンドロイドだとQuickShareという名称らしい。

読者の皆さんは結構使っているのだろうか?

昔問題になっていた電車の中で見知らぬ人に変な画像を送りつけたりする変態の所業は、このドロップ機能を使ってやっていたということであろうか?

ドロップ機能にカッチン自身がもっと馴染みがあれば、さらに映画に没入できていたのかもしれない。

冒頭で少し名前を出した『フォーン・ブース』という映画は2003年に製作された公衆電話で繰り広げられるワンシチュエーションスリラーである。

こちらは逆に公衆電話を使ったことのない今の10代の若者たちには刺さらないのかもしれない…。

主人公のバイオレットを悪い奴らがドロップ機能で操り続けるわけだが、「バイオレットの電波が悪かったりしたら一巻の終わりじゃないか!」と思ってしまった。

どことは言わないがカッチンが使ってる携帯会社は電波がなくなることが多々あるのだ。

地下鉄なんてまず使えない。

どことは言わないが…。

気持ち悪いメッセージが来た瞬間に「すぐ電源切ればいいのに!」と思ったのだが、妹に面倒を見てもらっている息子の様子を逐一確認したいから切れないという事情があった。

ドロップ機能に馴染みのある人の方がしっかり楽しめる映画であることは間違いないであろう。

洋画なので仕方ないことだが。


そもそもの話しになってしまうのだが、バイオレットという真っ赤な他人を使う必要があったのだろうか?

犯人の男は同じレストランで至近距離で見張っている。

普通にかなりリスキーな行動しているのだ。

あれだけ近づいているなら、自分で手を下した方がよっぽど確実な気がして仕方なかった。

バイオレットの自宅にまで手下を送りこんでたり、何気に相当手間暇かかっているのである。

ここまで面倒くさいことをやるなら、普通にデート相手のヘンリーというカメラマンの自宅に押し掛けた方が絶対楽で簡単だと思ってしまった。

なぜそうしなかったのかという理由の説明もなかった気がする。


バイオレットとマッチングアプリで知り合い、ようやくディナーにこぎつけたカメラマンのヘンリーという男性が不憫で仕方なかったのである。

せっかくのデートだというのに相手はスマホをポチポチいじっていて、トイレに立てばしばらく戻ってこないの繰り返しである。

普通であれば最悪の初対面デートである。

そう考えるとこのヘンリーという男はめちゃくちゃ寛容なのである。

悪事を暴こうとしたりと正義感も強く、きっと素敵な人間性の持ち主なのであろう。

しかし、とんでもない不正の秘密を握っている状況でマッチングアプリで知り合った女性とデートするなんて、かなり図太い神経を持っているのである。

普通そんな時にデートしない気がするのだが…。

ほとぼりが冷めてからにすればいいのに。

カッチンだったら「こんな状況で楽しめるわけないし今じゃないな」となっていたであろう。

前半はヘンリーがバイオレットに振り回される様子を見てイライラしていたのだが、よく考えたらバイオレットもただの災難なので単純に2人ともかわいそうなだけであった。


『犯人は半径15メートル以内にいる』という事だけわかっている状況で駆け引きが繰り広げられている間は、まさに心理的サスペンスという感じで固唾を飲んで見守っていた。

毒のすり替えなんかも「うお~」と思いながらドキドキしながら観ていた。

ところが犯人が特定できた瞬間、作風というか映画のジャンルが一気に変わったのだ。

唐突にゴリゴリのアクション映画になったのである。

イーサン・ハントとかジョン・ウィックが出てきそうなド派手なアクション繰り広げられ、高層ビルの窓ガラスまで割られた時は自然とテンション上がってしまった。

身を挺してバイオレットを守るヘンリーがまたカッコいいのである。

さらにアクションは高層ビルのレストランだけにとどまらず、妹と息子がいるバイオレットの自宅に場所を移し…。

自宅でもとんでない事態が起きているのだが、妹がとんだとばっちり過ぎてかわいそうであった。

最後の最後は息子のグッジョブもありバイオレットが勝利を収めるが『母は強し』と実感する奮闘ぶりであった。

同じ病院に入院しているヘンリーと妹の元へ、バイオレットがお見舞いに来るシーンも素敵であった。

ド派手なアクションシーンを始まったおかげで、いきなりエンタメ感が増し増しになる感じであった。

心理戦からの落差が面白かったのである。


バイオレットと元夫との過去をもっと描いてほしかったと思う。

かなり壮絶な過去がある夫婦なので、もうちょっと説明してくれたらドラマ的要素が増しバイオレットへの感情も変わっていたかもしれない。

上映時間が95分と短いのでなかなか難しいのかもしれないが、元夫がなぜあんな状態になったのかを描いてほしかったなとカッチン的には思ってしまった。

あんなの普通は気になるであろう。


『DROP/ドロップ』のクリストファー・ランドン監督は『ハッピー・デス・デイ』という映画も監督している。

カッチンはこの『ハッピー・デス・デイ』が大好きである。

主演のジェシカ・ローテという女優さんが好きというのもあるが、映画もめちゃくちゃ面白いのだ。

『DROP/ドロップ』も充分楽しめたので、この監督さんの映画は今のところ外れなしである。

予算があまりなくても面白い映画を撮れるということだから、この監督のつまらない映画はないんじゃないかと勝手に思っている。

予算が潤沢になったらいきなりつまらなくなる監督もいるので油断はできないが。

『DROP/ドロップ』は95分っていうこともあり、サクッと楽しめる映画である。

終盤でスカッと爽快感を味わうこともできて満足である。

気になった人はぜひ観てみてほしい。

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