「描けない」と泣いていた娘が、笑顔で筆を握るまで。Geminiと作った「えのかきかた」
注意:今回は、エッセイです。
子どもがアニメを楽しんでいる横で、この記事を書いています。
はじめまして、Chisato_momです。
私が暮らしているのは、いわゆる「消滅予定都市」と呼ばれるような、人の少ない地域です。本屋さんも文房具屋さんも近くにはありません。そんな不便さがあるからこそ、日々の暮らしや子育ての中で、自分なりに工夫を積み重ねる楽しさを見つけてきました。
今回は、業務の自動化を仕事にしている私が、子育ての中で試して本当によかった「Gemini(AI)を使った、子ども向けの“えのかきかた”」についてお話しします。
3歳から続いた、娘の「描けない」という涙
うちの5歳の娘、さきちゃんは、絵を描くことがとても苦手でした。 幼稚園などで絵を描く時間になると、ぽろぽろと涙を流して先生に「描けない……」と伝えてしまう。そんな様子が3歳のころから続いていました。
今の教育は「子どもの感性を尊重する」のが主流です。無理に「描きなさい」と押し付けるのは違う。それは私もよく分かっています。
でも、私は子どものころ、絵を描くのが大好きでした。 田舎で遊びが少なかったからこそ、紙とペンさえあればどこへでも行けるような、自由な感覚。 だからこそ、泣いてしまう娘を見て「どうしてこんなに苦手なんだろう?」と、ずっと胸を痛めていたのです。
「自由にしていいよ」は、時に「不安」になる
1年ほど娘を観察していて、ようやく一つの仮説にたどり着きました。
「この子は、絵が嫌いなんじゃない。“どう描けばいいのか分からない”だけじゃないか?」ということです。
やり方が分からない。
うまくできる自信がない。
最初の一歩が見えない。
この「見通しのなさ」が不安になり、手が止まってしまう。これは子どもに限らず、大人の仕事でもよくあることですよね。
「自由に描いていいんだよ」という優しい言葉が、手順を必要とする子にとっては、地図を持たずに砂漠に放り出されるような心細さを与えていたのかもしれません。
Geminiを「えのかきかたマニュアル」作成の相棒に
そこで私は、Geminiを使って、子どもにも分かりやすい「えのかきかた」のステップを作ってみることにしました。
例えば「スイカ」を描くとき。 大人なら当たり前に「半円を描いて、赤い色を塗って……」と想像できますが、子どもにとっては「何色のペンから持てばいいの?」というレベルで迷うことがあります。
私はGeminiにこう頼んでみました。
「5歳の子どもがフルーツを描けるように、3つのステップで教える手順を教えて、説明は全部ひらがなでお願い、みかん、パイナップル、スイカがいいかなあ」

そうして出来上がった「スモールステップ」の手順を娘に見せてみました。 いきなり「自由に描いて」と言うのではなく、「まずは、お皿みたいな形を描こうか」と手順を小分けにして見せてあげたのです。
「見通し」が、子どもの表情を変えた
すると、驚くほど少しずつ、変化が出てきました。 最初は不安そうに私を見ていた娘が、「ママと一緒なら描ける」になり、やがて自分で筆を動かすようになりました。今では「絵を描くのが楽しい!」と、笑顔を見せてくれることも増えています。

この経験で気づいたのは、「自由にしてよい」と「何をすればよいか分かる」は別問題だということです。
子どもは、ただ放っておけば伸びるわけではありません。 さきちゃんの場合は、「やり方が見える」という安心感があって初めて、自分の感性を発揮できるタイプだったのです。
おわりに:見えない壁を、少しだけ低くする
子育ては、仕事の自動化のように計算通りにはいきません。 でも、子どもが「苦手」だと感じていることの裏側には、能力の差ではなく、ただ「見通しのなさ」という壁が立ちはだかっていたのだと、今回の経験で強く感じました。
もし都会に住んでいたら、素敵な絵画教室の先生がいて、プロの視点で導いてくれたのかもしれません。でも、ここにはそんな場所はありません。 「環境が違うから仕方ない」と諦めるのではなく、今ある道具(AI)を使って、その壁をほんの少しだけ低くしてあげる。
それだけで、娘の表情が劇的に変わる瞬間を、一番近くで分かち合うことができました。
娘の「できない」に寄り添い、一緒に「できる」への道筋を探したこの時間は、私にとっても大きな「親育て」の時間だったように思います。 これからも、この不便で静かな町だからこそ見つけられる工夫を、娘と一緒に積み重ねていきたいです。
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